脂身

不定期に開催している職場の先輩及び同僚との飲み会「二水会」を、この日は町屋の焼肉店「正泰苑」で。

目指す「正泰苑」本店は町屋駅から徒歩15分という辺境の地(?)にあるため、『注文の多い料理店』のように人里離れた場所にぽつんとあって、そこに踏み込んだ客は焼肉にされてしまう……といったシチュエーションを想像しながら向かったのですが、町屋から北北東に向かう尾竹橋通り沿いはいかにも下町風のレトロな雰囲気を残し、複雑怪奇な町割り(交差点という交差点がことごとく斜めや三叉で交わっており真っ当な十字路は希少)を面白く眺めながら歩くと思ったほど遠くありませんでした。最後にメインストリートを離れてちょっと右へ入るといきなり住宅街になり、その一角に一種異様な雰囲気を醸し出す「正泰苑」。

最初は前菜、キムチ、サラダが次々に登場し、それだけでお腹が一杯になってしまいそう。

早く肉を出さんかい!……と毒づく女性陣でしたが、この後が大変なことに。

比較的狭めの店内を埋め尽くす喧騒の中、すごいボリュームの肉の皿が次々に運んでこられ、目を白黒させることになりました。一切れごとの分厚さもさることながら、上質の脂身がふんだんに含まれた肉は迫力満点。先輩・同僚たちは美味い美味いと喜んでこれらをたいらげていったのですが、脂身が大の苦手の私には、ちょっと厳しいものがありました。この脂身こそが牛の醍醐味だと言ってしまえばそれまでですが、ダメなものはダメ。そうした客がいることも想定の範囲内なのか、テーブルに備えられているガリ(寿司屋に必ずあるアレ)が口と胃とをさっぱりさせてくれるところはさすがです。

こちらのへなちょこな胃をあざ笑うかのような巨大なオブジェ(?)を見上げつつ町屋駅に戻り、ほうほうの体で帰宅。しかし、ハーゲンダッツのアイスクリームが脂身との戦いに満身創痍となった心身を癒してくれたのでした。

……とまあ一方的な主観で顛末を記しましたが、脂身オッケーの正統派焼肉ファンにとっては、「正泰苑」は味・量・価格(コスパ)の三拍子が揃った良店だと思います。興味が湧いたらぜひ一度お運びを。