観察

昨年以来テレワークがすっかり定着し、会社に出社する機会はほぼ月に1回程度となっていましたが、さすがに年度末の今月はそういうわけにはいかず、この日が今月3回目の出社日です。すると……。

私が愛してやまない道玄桜がはっきりと開花していました。まだ三分咲き程度というところですが、近寄ってみれば見事な咲き具合です。

コロナ以前は毎日律儀に出社していたので、この道玄桜が蕾をつけ、それを膨らませ、一輪・二輪と花開いてやがて満開に至った後に、徐々に葉桜へと姿を変えてゆく様子をデイリーに観察していたものでした。

謡曲「西行桜」では、京都西山で静謐な生活を送ろうとしている西行が、桜の花を愛でるために押し寄せる人々を無碍に扱うこともできず庭に通すものの、つい次のように愚痴る...
「花暦」と言えば、普通は季節の花を月の順に配列した年間カレンダーですが、ここでは今年の道玄桜の開花から花の終わりまでを追ってピンポイント花暦を作ってみました。 ...

今年はそうした定点観察ができず開花のタイミングを見逃すことになるかも知れないと危惧していたのですが、どうにかよい時期にこの桜木の下を通ることができたのは幸運でした。

この日は気温が高かったため、帰路に再び通りがかってみると花はますます勢いをつけて開いている様子。これからもしばらくの間は(特に必須の用事はなくても)出社の機会を作って、今年の道玄桜の変化を追いかけてみようと思います。