式典

1997/09/28

我々が中学1年生のときに作ったチェス部が早くも25周年。その記念式典は麻布学園の大会議室にOB・現役あわせて50名余が集まりました。

定刻ちょうどに会場に着いてみると、顧問の加藤史朗先生はもとより私の同期たちの顔もあって、いずれもほぼ10年ぶり。参加者の挨拶、食事をしながらの歓談、OB・現役入り交じっての自由対局で、正午から16時まで時を忘れました。また、学園100周年記念館の地階にある新部室を見せてもらい、「Encyclopaedia of Chess Openings」(だったかな?)など懐かしい書籍に見入りました。ちなみに、チェス部の部室の斜め向いにあるコンピュータ関係のサークルの部室を窓から覗いたところ、SUNのワークステーションが鎮座しているのにもびっくり。中学からUNIXですか…。

中学1年生の諸君を見ていると、失礼ながら、我々がチェス部を作ったときもやはりあのように幼なかったのだろうかと不思議な気持ちになってきます。とはいえ、我々が高校生になった頃でも麻布学園チェス部は既に当時の大学レベルを凌駕していましたが、最近の現役諸君は、国内の大会はもとより、世界ジュニア選手権にも代表を送り込むなど国際的な活躍が際立っているとのこと。麻布学園のパンフレットなどでも大々的に宣伝されているそうで、これは入学希望者獲得という点で学校に貢献していることになります。

なお、対局の方は7年下のOBである高迫君と2局、中学生の現役メンバーとブリッツ2局、今回の幹事役である高2の赤掘君と2局。緊張の第1局目、黒番(後手)になった私が採用した定石は、現役時代に最も得意としていたシシリアン・ディフェンスのナイドルフ・バリエーション(1.e4/c5 2.Nf3/d6 3.d4/cd4 4.Nd4/Nf6 5.Nc3/a6 ……=図)です。

▲第23代部長=赤堀君と第2代部長=私の新旧対決。辛うじて1勝1敗。

これで勝利を収め気を良くしたものの、先後を交替した次局は相手のルークの筋が効いているクイーンサイドへキャスリングした構想の誤りから敗戦。以下、ブリッツは連勝、赤掘君には1勝1敗。ただし赤堀君からあげた1勝も、彼の見落としからルークとナイトのコンビネーションでチェックメイトにできたもので、局勢としては途中まで私の方が不利でした。やはり10年以上も人間を相手にチェスを指していないので、構想力もここ一番の読みも鈍ってしまっていたようです。

最後に、召集メールを送ってくださった加藤先生と、事務方として楽しい式典を実現してくれた赤掘君ほかの皆さんに感謝します。