外人

2006/07/05

先日、実家に寄った際に昔購入していたLPをざっと眺めました。その目的は、ペルー旅行の記録に使うフォルクローレのレコードを回収するためだったのですが、こういう機会に自分が若い(幼い)頃どんなレコードを聞いていたかを再確認するのは、なかなか楽しいものでした。たぶん荒井(松任谷)由実のファンであれば「そういえば小さい頃は神様がいて不思議に夢をかなえてくれていたよなぁ……」などとたそがれたりするのでしょうが、幸い私はユーミンのファンではなかったのでそうした心配はありません。

で、コレクションの中心はやはりKing CrimsonやYesのブートレッグだったりするのですが、当然ベストヒットUSA系も何枚かあるわけで、そうした中で「お、これこれ」と手にとったのはForeignerの『4』でした。

Ian McDonaldらを追い出したMick Jonesが、ゲストミュージシャンの力も借りつつ4人で作り上げたアルバムで、ここから「Juke Box Hero」「Waiting for a Girl Like You」「Urgent」といった曲が次々にヒットしました。そんなわけでここのところiMac+iTunesでヘビロテしていますが、確かにいずれのヒット曲もいいし、前後を固めるストレートなロックも上出来。何よりLou Grammの情感溢れるボーカルが最高(この歌い方で喉を傷めないのかと心配になりますが)。そしてゲストのThomas Dolbyがシンセでいい仕事をしています。特にこのアルバムでのフェイバリットは「Juke Box Hero」。歌詞を読むとライブのチケットを買い損ねてヘコんでいた若者が、壁越しに聴こえるギターの音に触発されて翌日中古楽器屋へ駆け込むみたいななんてことない内容だったりしますが、雨の中で立ち尽くす情景をおどろおどろしいリズムで静かに歌い、次の瞬間「He heard one guitar!!」のシャウトでギターの炸裂とスネアの2拍4拍がライブの興奮を叩き付けてくるという感じで、歌詞に沿った写実的なアレンジが秀逸です。

ForeignerのLPは他に『Agent Provocateur』を持っていて、このタイトルが刑法or刑事訴訟法の授業で習った用語(直訳すれば「教唆する巡査」=おとり捜査の合法性の問題)だからという不純な動機で興味津々で買ったものの、内容的には妙に出来過ぎの産業っぽくて好きになれなかった記憶があります。いま聞いたら、どういう感想をもつだろう……などと昔を振り返りながらLou Grammの近影を捜してみたところ、ありました。しかし、これは……もしや、John Wettonの間違いでは?(溜息)