崩壊

2008/07/01

今日は、アニメの話(理由は後で)。

宮崎駿のアニメーションに関心を持っている方なら、『未来少年コナン』はTVアニメの名作として記憶に残っていることでしょう(『名探偵コナン』ではありません。念のため)。このアニメは、あらゆる意味で宮崎アニメのベンチマークになる作品です。老人と2人で暮らす少年が、老人の死を契機に人の住む土地を目指して船出するというプロットは、東映動画時代の長編アニメの最高傑作である(と私が信じて疑わない)『太陽の王子 ホルスの大冒険』(1968年)そのままだし、サメ退治の場面も『ホルス』のお化けカマス退治の引用。一方、超兵器によって地球が滅びに瀕した後の世界という設定や自然との共生をうたう主題は『風の谷のナウシカ』(1984年)へ、不思議な能力を持つ少女と彼女を助ける純心な少年のラブストーリーという構成は『天空の城ラピュタ』(1986年)へとそれぞれ引き継がれています。その他、雲上を浮遊する三次元表現が大胆にとり入れられた広がりのある動きから脇役の性格付けや各種ガジェットに至るまで、いろいろな点で『ホルス』から『三千里』(声優が共通)を経て『ナウシカ』『ラピュタ』へとつながる系譜の結節点に位置するアニメが、この『コナン』です。

というわけで、このBOXセットは『未来少年コナン 30周年メモリアルボックス(期間限定生産)』。そう、このセットによって『コナン』放映から既に30年が経っているということに、今さらながらに気づかされます。

そして『コナン』の冒頭で流れるナレーションによれば、超磁力兵器による地殻の崩壊が起きた日は「西暦2008年7月」……。