優勝

2013/01/01

2013年に入ってすぐ(0時を10分ほど回った頃)のニュースは、オンラインチェスサイトChess.comでのプライベートトーナメントの一つ「Free for all part 6」での(事実上の)優勝決定でした。

Final Round

Chess.comではありとあらゆる組合せやコンセプトのトーナメントやチームマッチが毎日開催され、参加者は自分の興味と参加条件とが合えば定員枠の範囲内で好きに参加できる仕組みになっています。そうした中で、昨春に参加者募集が始まった「Free for all part 6」は、

  • 参加者枠:48名
  • Rating Range:1800未満(当時の私のレイティングは1764)
  • Time Control:3 days/move

と手頃だったのですぐに参加を申し込んだのですが、2012年4月4日にスタートしたこのトーナメントが延々今日まで続いていたのでした。

Round 1

Round 1は48名を6人ずつ八つのグループに分け、各グループの上位3名ずつが勝ち抜け。ここを私は8勝2敗0ドロー(8W / 2L / 0D)で通過したのですが、上述のとおり3days/moveなので1試合が終わるまでに何日もかかります(ただし1局ごとに順次指していくのではなく、全試合が一斉に始まり並行して進みます)し、トーナメントに参加している全員の全試合が終わらないと次のラウンドに進まない仕組みなので、ここではかなり待たされ、Round 2が始まったときにはこのトーナメントに参加していたことを忘れかけていたくらいでした。

Round 2

続く24名でのRound 2も、6W / 1L / 1Dでなんとかクリア。この時点で自分のレイティングは1900台に上がっていましたが、トーナメント開始時点で参加条件を満たしていれば、あとはレイティングが変わってもかまわないルールであるため、参加資格を失うということはありません。そのため、この辺りでこのトーナメントの参加者の中で最もレイティングが高いメンバーになってしまいましたが、それでも、レイティング1621のnghia_vo(ベトナム)との対局は完敗といってよい内容。この試合は、レイティングに差がある相手であっても決して侮ってはならないという強烈な教訓を与えてくれました。

Round 3

5名ずつ2グループで戦われたRound 3では、勝つことよりも負けないことを強く意識するようにしました。とにかく、全ての相手と1W / 1D以上にできればトップで抜けられるはず、と考えて黒番では局面が不満足であったり硬直したりしたときにはドローをオファーするようにした結果が、上記のスコアです。

Final Round

そしていよいよ1カ月ほど前に始まった、最後の4名による最終ラウンドで、私は最初に全試合を終了しました。そのスコアは、冒頭にも掲げたとおり4W / 1L / 1Dです。

ご覧のように、他のメンバーはまだ全試合を終えてはいないのですが、私以外の誰も、残り試合を全勝してもスコアは4ポイント以下にとどまるので、これで私の優勝が確定しています。実は、私の最後の試合はaprilis(ハンガリー)とのドローの試合なのですが、私を追撃していたmkroft(オランダ)がグループ内の最低レイティングのプレイヤー相手に思わぬ敗戦を喫したため、あと0.5ポイントをとれば優勝が決まるという計算ができたので、aprilisとの対局の中で十分優位と思える形勢を作ったところでドローオファーをしたという次第。

そのオファーをaprilisがアクセプトしたのが日本時間で元日の午前0時10分頃で、彼の残り時間はわずか20分という状況でした。どうせならもう少し早く、昨年の大晦日のうちにドローを受けてくれていた方が年越しにならずにすんで気分が良かったかもしれませんが(笑)、何はともあれ優勝というのはうれしい結果です。

さて今年もまた、このトーナメントを通じて学んだことを糧に、仕事や他のアクティビティに支障をきたさない程度に、チェスに力を注いでいこうと思います。ただし、リアル対局の時間を(休日に)とることは、クライマーとしてまだまだ現役でいたいと願う自分にとっては難しい注文なので、今年もオンラインチェスの世界に引きこもり続けることになりそうです。