卒業

2021/04/04

今日は山仲間・常吉さんと、上北沢の陣馬そば「山下屋」さんで飲み会。常吉さんはご本人のブログの記述をそのまま借りると2019年2月に食道癌(Ⅲ)が発覚。放射線も抗がん剤ももう終わり、現在延命治療中ということで、アルパインクライミングも体力的にもう無理ということから所属山岳会も辞めている状況です。そこで、たまたま私がFacebookにアップした「山下屋」さんの料理の写真に常吉さんが興味を示してくださったことをきっかけに、この日の「常吉さんアルパイン卒業式」を企画することにしたのでした。

卒業式となれば祝う側は人数が多い方がいいに決まっています。そこで前にも同じ顔ぶれで一緒に飲んだことがあるいず姫とニシさんにこっそり声を掛け、久々の4人での飲み会が実現したという次第。

卒業証書として用意したのは、私といず姫とが持ち寄った写真を使った常吉さんのアルパイン記録アルバム。私は北岳バットレスのDガリー奥壁上部フランケ八ヶ岳小同心クラック、いず姫は剱岳のチンネ左稜線に室堂ハイキング。アルバムのタイトルは常吉さんの名前になぞらえて『ALWAYS HAPPY』ですが、上の写真で常吉さんが見ているのはその中のワンコーナーである「ほぼ ALWAYS DRINKING」のページです。登攀目線で言えばヒロケンさんの『チャレンジ!アルパインクライミング 北アルプス編』の裏表紙を彷彿とさせるチンネ左稜線のワンショットが白眉となりますが、しかしこのアルバムで一番大事な写真は最後のページ、愛車BMW Z4と共に映る常吉さん。その写真に添えた「TO BE CONTINUED ...」のフレーズに人生はまだまだ続くという心をこめたつもりです。

……とすっかりもてなしモードでいたら、私に対してもサプライズプレゼント。いず姫とニシさんから「少し時期が遅れたけれど」という前置きつきで還暦祝いの赤い品々をいただきました。

マムートのチョークバッグ、カラビナ2枚、そしてマスク。ありがとう!

相変わらずのおいしい料理はとれたての山菜や筍、それに鹿肉のソテー。食の細い常吉さんは最後の蕎麦まで辿り着けませんでしたが、地酒「八王子城」はくいくいと飲み干していました。善き哉。そして常吉さんには卒業式の返礼として、ゴールデンウイーク明けに岩魚・山菜山行に連れて行っていただけることになりました。

最後はもちろん記念写真です。左=公式モード、右=通常モード。常吉さんはやはりこうでなくては。