蒲黄

2007/08/08

先週末、奥多摩に沢登りに行ってきました。今回同行したのはナカジとオグですが、元を正せばこの沢登りはもう1人の弟子(?)のデチのために考えた企画。ところが本番数日前にデチから「足の傷にバイキンが入ったらしくて腫れてしまった」という涙のメール。どうやらそこにおかぴん氏の人面疽が浮かんだらしいぞ、とオグに告げて彼をびびらせたのは私のデマですが、当のデチに対しても

そういうときこそ沢登りでしょう。大国主命も因幡のしろうさぎに『沢の真水で身体を洗い、蒲の穂綿にくるまりなさい。』と告げているではありませんか。

とワケのわからないアドバイスをしたのでした。

もちろんそんないかがわしいアドバイスに乗るデチではなかったのですが、調べてみると実際に大国主命が教えたのは唱歌の歌詞にある「蒲の穂綿にくるまれ」ではなく「蒲の花粉を敷いてその上に転がりなさい(即取其水門之蒲黄 敷散而 輾轉其上者)」で、蒲の花粉=蒲黄は外用薬として傷や火傷に今でも用いられており、古事記のこの記述は日本最古の薬物使用の記録なのだそうです。ついでに言うと、私のアドバイスの中で「しろうさぎ」とひらがなで書いたのにも理由があります。これは「白兎」ではなく「素兎」、つまり裸の兎という意味だから。

今日は、沢登りにまつわるトリビアでした(←どこがだ!)。