全滅

2008/03/05

Totoの一昨年のライブがとても良かったので期待していたのが、このDVD『Falling in Between Live』。購入して見てみれば予想通りの出来の良さで、演奏は素晴らしいし、カメラワークも文句のつけようがありません。最初期の「I'll Supply The Love」から最新作の「Falling in Between」まで彼らの30年にわたる歴史を見渡すことができる、ベスト盤としての意味合いもあります。

ところで、この映像に登場するベーシストは東京国際フォーラムのステージに立っていたMike Porcaroではなく、真っ白な美鬚をたくわえたLeland Sklar翁。Phil CollinsやHall and Oatesほか数えきれないミュージシャンをサポートしたベーシストであり、この映像の中でもバンドのボトムをしっかり支えながら時折はっとさせられるセンスのよいフレーズを繰り出しています。とはいえ、これでTotoの歴史に輝かしい功績を残してきたPorcaro三兄弟は全滅したことになります。キーボードのSteveは最も早くステージから降りて制作サイドに回ってしまいましたし、ドラマーのJeffは不慮の事故死(殺虫剤中毒と公表されています)、そして今回のMikeの離脱は腱鞘炎によるとアナウンスされています。しかも、このステージにはJeffと共にTotoを結成する原動力となったDavid Paichの姿もありません。

そのせいかどうかわかりませんが、Steve Lukatherの言によれば、Totoはその結成の契機を作ったシンガーBoz Scaggsとのジョイントでの来日公演(今月下旬)を最後に、無期限活動停止となるのだそうです。