亀手

2008/06/13

今週は、なぜかいろいろな国の料理を食べる週でした。

火曜日、業務提携先の某社で20時半頃まであれこれ打合せ。終わった後に「ちょっと行きますか」という話になって、飯田橋のインド料理店「スルターン」に繰り出し、お腹がすいている割にはあまり食べずにひたすらインドワインを飲んでしまいました(グラスでどんどんおかわりしたので、最後にはお店が気を遣ってボトル1本おごってくれたほど)。

二日酔いの水曜日、前々から飲みに行こうと話していたWeb仲間のえみ丸さん・常吉さんと、急遽池袋の「台湾小調」に集合。最初はビールでしたが、途中から紹興酒をぐいぐい。常吉さんお勧めの生蜆のニンニク醤油漬けは、ビールのアテとしてこの上もなし。しかしそれよりも、お二人の止めどなき話術が一番の御馳走でした。

そして、金曜日の今日。グルメ友達でもあるクライミング仲間Y女史と、参宮橋のスペイン料理店「ロス・レイエス・マーゴス」へ。このお店は、料理・店の構え・接客のいずれも素晴らしく、2人とも大のお気に入り。したがってこれまでにも何度も来ていますが、半年もたたないうちに「また参宮橋へ行こうか?」というメールを交わすことになります。でもってスペイン通のY女史が黒板に書かれた今日のお勧めを見て驚喜し「あれを頼みましょう!」と宣言したのが、こちらのペルセベスです。

説明には「亀の手の塩茹で」と書いてあったので、「えっ、亀の手を切り落としたものを塩茹でにするのか?なんて野蛮な!」とびびったのですが、実際は岩礁にこびりついているカメノテ(甲殻類)で、これは日本でも味噌汁に入れたりする食材。カニのはさみのようなところを持ってむしるように肉を引き出すと、磯の香りの出汁が塩味でひきたち、とてもおいしいのです。Y女史曰く、スペインでもこれは高い食材で、彼女が留学していた頃はなかなか手が出なかったとのこと。そのときの鬱憤を晴らすかのように、手も口も止めずにカメノテと格闘するY女史の姿には、ある種鬼気迫るものを感じます……。

ほかにいただいたのは、ピスト(アラゴン風野菜の卵とじ)、そしてバカラオ(塩タラ)のバスク風緑ソース。いずれも絶品でした。