渾身

2009/05/15

渋谷の「Lazy Workers Bar」で、robin☆&Micky presents「駆けつけ3曲」超マッタリDJイベントに参戦。普段聞く側の人たちもとにかく自分の好きな3曲を用意して、全員参加で音楽を楽しもうよ、という企画です。しかし、まったりといいながら主催者からの指示は「各自『渾身の3曲』を選び、参集下さいませ。」。

渾身の3曲……プログレ好きの自分としては、3曲で1時間程度かな?と瞬時に計算してしまったのですが、もちろんそんな暴挙が許されるはずもなく、合計12分程度に収めることを心掛けました。その結果の選曲は、次の通り。一見ばらばらですが、実は「パワフルなイントロ」という共通項を意識したものです。

What Mama Said / Jeff Beck / "Who Else!" (1999年)
Jeff Beckが珍しくキーボードプレイヤーを起用せず、ソリッドに仕上げたギターアルバム。ただし、曲によってはもう1人のギタリストJennifer BattenのMIDIギターがシンセサイザーをコントロールしているので単調さはまったくありません。そしてこのアルバムの冒頭に置かれたのが、Jenniferの強烈なツーハンド・タッピングが印象的な「What Mama Said」です。
Green Face / Eddie Jobson - Zinc / "The Green Album" (1983年)
一転してこちらはプログレ人脈のEddie Jobson。Zincというバンド名義になってはいますが、事実上彼のソロアルバムと言ってよく、得意のキーボード、ヴァイオリンに加えてボーカルもEddieです。このアルバムは後の『Theme of Secrets』に通じるアンビエントなパートとロックテイストに満ちた曲とが混交していて、ちょっとまとまりに欠ける気がしているのですが、少なくともこの「Green Face」は、力のあるリズムに乗ってEddieのかっこいいヴァイオリンソロやアイデアに満ちたキーボードプレイが聴きごたえ十分です。
Vertigo / U2 / "How To Dismantle An Atomic Bomb" (2004年)
この日はiPodユーザーも多そうだったので、3曲目はまさかのU2「Vertigo」。文句なしに気合の入る曲で、Edgeの珍しく分厚いギターもさることながら、うねるようなベースが私はお気に入り。しかし前から不思議なんですが、イントロのカウントはどうして「1(uno), 2(dos), 3(tres), 14(catorce)」なんでしょうか?

この日は私も含め「にわかDJ」となった人も多く、じゅんこさんなどは最初のうち「緊張してきた!吐きそう!」などと言っていましたが、そこはにわかDJ同士の連帯感でカバー。3曲終わると選曲者に対して拍手を送り、お互いの健闘(?)を讃え励まし合ういい雰囲気でイベントが進行しました。私の曲が終わってやまげんさんに交代するときにも「お疲れさまでした!」「がんばって下さい!」とエールの交換が行われ、なんだかDJイベントというよりDJ道場(=DoJo?)みたいな感じです。

そんな中、いしこさんのラテンな選曲やじゅんこさんのメタリックな楽曲も楽しく聞きましたが、Mickyさんが連れてきた会社の先輩が、お堅い業種にもかかわらずプログレファン。ひとしきりプログレ談義に花が咲いた後、意外な曲を次々に聞かせていただきました。さらに……

Moonlight Shadow / Mike Oldfield / "Crises" (1983年)
イベント終了時刻までのつなぎで一曲かけさせていただいたのが、Maggie Reillyのボーカルがとても美しい「Moonlight Shadow」。歌詞は悲痛な内容ですが、そう感じさせない流れるようなメロディラインと上品なギタープレイが聞かせます。

とにかく、手作り感があって、フレンドリーで、楽しいイベントでした。音楽がメインということにはなっていますが、むしろこれを媒介にして集まった人たちがみな気持ちのいい人たちばかりだったのがうれしくて、これは主催者の人柄を反映しているんでしょうね。企画してくれたMickyさん、robin☆さん、ありがとうございました。このイベント、毎月あってもいいなあ。

楽しかったイベントも23時にはお開きとなり、バーを出て坂道を下ったところで目にしたのはこの光景です。

えっ、「魚がし福ちゃん」が復活している?閉店のお知らせを見て慟哭したのはつい数カ月前だったはずですが、この日貼られていたのは従業員募集の告知でした。これはうれしい驚きです。第三福ちゃんも再開しているかどうか、早速確認してみなくては。