内視

2010/03/25

恵比寿の厚生中央病院で、胃カメラを呑んできました。3月最初の土日を発熱・下痢・嘔吐感で二日つぶした私は、これはノロウイルスかなと思い、発症の2日前にうっちゃまん女史と一緒に食べた生牡蠣を失礼ながら疑ったのですが、うっちゃまん女史に聞いてみたところ牡蠣に関しては何ともなかった(ただし二日酔いで土日を棒に振った……)とのこと。さすれば他に原因が?というわけで多少落ち着いたところで病院に行って診察を受け、念のため胃の内視鏡検査を受けることにしたのです。

さて、その診察のときに内視鏡検査の予約をするのですが、その際に渡された説明書には次の文句が。

上部消化管内視鏡検査は、電子内視鏡(直径が約6〜9mm)を用い食道〜胃〜十二指腸の内部を直接観察する検査です。(中略)検査、処置において出血、穿孔(消化管に穴があくこと)などの偶発症が生じることがあります。出血、穿孔などの発生頻度は全国集計で0.012%(約8300人に1名の割合)、死亡率は0.00045%(約22万人に1名の割合)と報告されています。(後略)

これは、安全だと言っているのか、危険だと言っているのか……?ともあれ、ここまでくれば「やっぱりいいです」などと言うわけにもいかず、そのまま同意書に署名して診察を終え、そこから2週間後の今日、検査を受けたのですが……。

←胃カメラ(イメージ)

朝食抜きの空きっ腹で受付を済ませると、最初に胃の中をクリアにするというコップ入りの液体を渡されて飲み干し、次に喉の麻酔のために麻酔薬を口に含むこと約5分。やがて舌から喉の辺りが痺れてきたような感覚があって、呼び出しに応じて診察室のベッドに横になりました。看護婦さんが諸注意を与えてくれながら口にマウスピースのようなものを固定し、そこで医師がとりだした胃カメラのチューブは、「えっ!そんなものを呑むんですか?」と動揺するくらい太く見えました。

で、マウスピースの穴を通して胃カメラが入ってくるのですが、やはり喉の部分を通るところが一番の難関で、嘔吐感がこみあげて何度も「おえ〜!」と声をあげてしまいました。しかし、医師も看護婦さんも慣れたもの。看護婦さんは子供をあやすときのように肩をゆっくりたたきながらリラックスさせようとしてくれて、こちらも肩の力を抜いてみるとどうにかチューブは食道の中まで下りていったようです。そこまでいけば苦しさは半減以下ですが、胃カメラの先端が胃から十二指腸に入るときにはお腹の中に異物感ありありで気持ち悪いことに変わりはありません。こうした苦行15分の末に胃カメラが抜かれたときには、本当に助かった!と思いましたが、検査の結果自体は、胃の上部に若干の炎症が見られるものの、特に問題はなし。やれやれです。

もう二度と胃カメラなんか呑まない!と深く心に誓いましたが、医師と看護婦さんの対応自体はとても優しく丁寧で、特に私がチューブを飲み込んでつらそうにしている間ずっと、看護婦さんがぽんぽんと肩をたたき続けてくれたことにずいぶん癒されました。いちばん人を癒すのは、他ならぬ人の手だということなのでしょう。