リフ

2011/11/04

MusicRadar.comの「The 25 best basslines of all time」で「YYZ」がとり上げられたことを受けて、mixiのRushコミュではこんな会話が交わされました。
  • Rushに限れば、Bravadoも外せないです。
  • それを言ったら、Freewillも。
  • 私はHigh Waterかな♪
  • The Trees!
  • Big Moneyも捨てがたいですね。←これは私の発言。
  • Turn the Pageもなかなかです。
  • Digital Man のラインはスゴいと思いますよ。
  • 以下略。

要するに、RushのベーシストであるGeddy Leeがいかに印象的なベースリフを量産しているか、ということなんですが、それではここで彼のベースプレイの代表的なものを紹介してしまおう、というのが今回の記事の趣旨です。ただし、順位をつけるのは難しいので、アルバムのリリース順に中期から10曲選んでみました。なお、【リフ】は読んで字の如くベースのリフ単体で特徴的なもの(ギターとのユニゾンを含みます)、【ソロ】は(多くの場合ギターソロの後ろで)自由に弾き倒している部分を意味します。

Cygnus X-1 - 『A Farewell to Kings』【リフ】
当時Geddyが使用していたRickenbackerのゴリゴリとした音が印象的。今回紹介しているフレーズの中では、一番簡単(笑)。
Circumstances - 『Hemispheres』【リフ】
これは厳密に言うとかっちりしたリフというよりコード進行に合わせてスケール上を自由に飛び回っている印象。これを弾きながら歌うというところが凄いです。
Freewill - 『Permanent Waves』【ソロ】
やはりこの曲のこの部分に触れないわけにはいかないでしょう。ギターソロも相当にテクニカルなのですが、その背後で好き勝手にやっているベースが結局は前面に出てきます。
YYZ - 『Moveing Pictures』【ソロ】
既に紹介した曲ですが、中間部のベースとドラムの掛合いは何度聴いてもGREAT。
The Analog Kid - 『Signals』【リフ】
シンセサイザーの大量導入が始まった『Signals』の曲ですが、ベースラインの奔放さは損なわれていません。
Distant Early Warning - 『Grace Under Pressure』【リフ】
このフレーズは一度聴いたら耳にこびりついて離れません。
Big Money - 『Power Windows』【リフ】
この曲を含む『Power Windows』と続く『Hold Your Fire』はGeddy Leeのシンセサイザー指向が最高潮に達した時期のアルバムですが、それにもかかわらずベースリフの宝庫でもあります。この曲ではイントロのリフとボーカルが入ってからのリフのいずれにもアイデアに満ちたフレーズが聴かれます。
Marathon - 『Power Windows』【リフ】
これも『Power Windows』から。論より証拠で、とにかく聴いてみて下さい。
Force Ten - 『Hold Your Fire』【リフ】
イントロの、高音域のダブルストップが効果的に使用されたリフが特徴的。組み合わされている開放弦の連打は親指、高音部は人差し指で弾いているようです。
Turn the Page - 『Hold Your Fire』【リフ】
これも論より証拠。イントロの高音リフとボーカルが入ってから(つまり歌いながら)のメカニカルなリフはいずれもアイデアもの。

Geddy Leeはベーシスト兼ボーカリスト兼キーボードプレイヤーなので、これらの複雑なフレーズもライブでは多少間引いて簡単にしているのではないか?と疑うのが通常の感覚ですが、ライブ映像を見るとスタジオ録音と同じフレーズを弾きこなしながら歌っている姿に圧倒されます。

この後、Rushの音楽はシンプルなギタートリオスタイルに回帰してゆき、それとともにベースの聴きどころも少なくなってしまうのですが、それでも実際に弾いてみると「こんなはずでは……」と焦らされるような一筋縄ではいかないベースプレイをギターのウォールサウンドの後ろに隠していたりします。40年以上にわたって現役であり続けるバンド=Rushは、来年(春?)にも新譜をリリース予定。そこにどんなベースリフが登場するのか、今から楽しみです。