権八

2011/12/01

11月を断酒月間として、一滴のアルコールも摂取せずに乗り切った私。しかし、チョコレートの食べ過ぎのせいなのか体重も体脂肪率もむしろ増加傾向を示して師走を迎えたのですが、気を取り直して断酒明け初日の12月1日に、職場の極楽ガールズ(「極道ガールズ」とは別の組み合わせです)との飲み会=「Fly Away」を西麻布の権八で。西麻布の交差点に面するここは、2002年に小泉首相がブッシュ大統領夫妻をインフォーマルディナーに招待した際につかわれた店ということで広く知られています。渋谷の権八には何度か足を運んでいますが、西麻布店は初めて。

料理は各皿とも量が少なめ、しかし味はなかなかに美味でした。また、店の雰囲気はかなりのワイガヤ系で、これは渋谷店とはずいぶん趣きが異なります。

外国人客が異常に多いのは、やはりブッシュ効果なんでしょうか?ともあれ、極楽ガールズと言ってもノンベであることに変わりはなく、いつものようにビール→日本酒→ワインのフルボトル×3本消費で最後はやはりへべれけに。極楽であっても極道であっても、行き着く先は同じということか……。

ところで、権八を断酒明けの店に選んだのも「あのブッシュ大統領を……」という興味があったからですが、予約を入れようと検索したときに目に留まったのが、新川義弘氏の『愛されるサービス』です。グローバルダイニングで「権八」「ラ・ボエム」などの店舗統括を担当し、ブッシュ大統領に自身がサービスしたことでも有名な同氏が、その経験をもとに飲食サービスにおけるホスピタリティのあり方を解説したこの本は、顧客とのフィフティ・フィフティの関係をベースに、

  • Anticipation〔事前予知力〕
  • Recognition〔顧客認知力〕
  • Operation〔運営力〕

で顧客に感動を与えるサービスを実現することを説いています。内容の興味深さと文章の平易さとでとても読みやすく、ほぼ半日で読めてしまったほど。業種・職種に関係なく、あらゆる人にお勧めできる本です。

ただし、著者は2005年にグローバルダイニングを離れて別の道を歩んでおり、そのせいかどうか、この日の権八では接客の品質に疑問符をつけざるを得ませんでした。店員さんの人数が足りないのか、威勢はいいものの担当テーブルの注文を捌くのに四苦八苦しているようでしたし、注文していない皿が二度も運ばれてきていて、上記の「Anticipation」と「Operation」がなっていない感じ。どこまでも明るい極楽ガールズのおかげで楽しく飲めたからいいんですが。