至福

2012/01/02

昨年末の八ヶ岳山行で顔面をプチ凍傷にしてしまったため、大晦日と元日は自宅に引きこもっていた私。多少は癒えた正月2日目に、実家に帰ってまいりました。

トラディショナルなおせち料理とはずいぶん違いますが、丹塗りの器に盛られてそれなりにゴージャス。昼間からお酒をいただくのが、何より幸せです。

まずは金箔入りのお酒で乾杯、今年1年の平穏を祈ります。そしてこの日のメインは、私が持ち込んだいただき物の「萩の露大吟醸『至福』」。常温でいただきましたが、アルコール度数やや高めなのに気持ちよくするすると飲めてしまうという、ある意味恐ろしいお酒です。

父も私もすっかりほんわかした状態のまま、いつもの如く囲碁対局。3子置かせてもらっての左は2局目で、作ってみれば1目差での負け。惜しい!一方、右は3局目、黒の中押し勝ち。盤面の左上四分の一以上を占める白石44子が死んでいるのがわかるでしょうか?これだけの大石を仕留めたのはさすがに初めて。いやー、私以上に父の方が至福の気分に浸っていて、盤面がよく見えなかったようです。囲碁とお酒は、順番を間違えてはいけないという教訓でしょうか。

……とまあ、今年の正月は一日遅れのお酒と囲碁で明けたのですが、実は私は中学生の頃から大学を卒業するあたりまでチェスが本業だったことは、知る人ぞ知る事実(といいつつこのサイトの中にも明記してありますが)。社会人になってからは長い間、人を相手にチェスを指す機会には恵まれていなかったのですが、ふとしたことから昨年末にオンラインチェスのChess.comに登録し、チェスを再開しました。たとえば以下は、今年に入って最初に決着がついた1局です。

1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.Bc4 Nc6 4.d4 cxd4 5.Nxd4 Nxd4 6.Qxd4 Nf6 7.Bg5 Qa5+ 8.Bd2 Qc5 9.Qxc5 dxc5 10.Nc3 a6 11.O-O e6 12.a4 Bd6 13.Bg5 Ng4 14.f4 Ne3 15.Be2 Nxf1 16.Rxf1 O-O 17.e5 Bc7 18.Ne4 b6 19.Be7 Re8 20.Bd6 Bd8 21.c4 Bb7 22.Bf3 Be7 23.Nf6+ gxf6 24.Bxb7 Ra7 25.Bc6 Rc8 26.Bxe7 Rxe7 27.exf6 Rec7 28.Be4 Rd8 29.Rf3 Rd4 30.Rg3+ Kh8 31.Bc2 Rd2 32.Be4 Rd4 33.Bc2 Rxf4 34.Rh3 Rxf6 35.Rxh7+ Kg8 36.Rh4 Rd7 37.Rg4+ Kf8 38.h3 Rd4 39.Rg3 Rxc4 40.Bb3 Rc1+ 41.Kh2 c4 42.Ba2 Rf2 43.Rg4 c3 44.bxc3 Rxa2 0-1

格上の白番に対峙する黒番が私で、現役時代(←30年以上前)に指し慣れていたシシリアン・ディフェンスのナイドルフ・バリエーションに持ち込もうともくろんでいたところ3手目に白から「Bc4」と指され、そこから先は(定石の抽出しがまるでないので)力戦になってしまったもの。途中で相手のボーンヘッドからナイトとルークの交換になって優位を築いたのですが、そこからの相手の黒左翼への猛攻が凄まじく、たじたじとなりながら何とか凌ぎきって、最後の最後に勝利を確定させることができた戦いでした。この、1手間違えるとがらっと局面が変わってしまう極限の緊張感はチェスならではのもので、その魅力を再び味わってしまったいま、もはや足抜けできそうにありません。