手作

2012/06/03

今日は、本当に久しぶりに母校=麻布学園へ。我々の学年が創設したチェス部の創部40周年記念パーティーに出席するためですが、昨年の秋に往復はがきで案内が来てから待てど暮らせど続報がなく、これは中止か延期になったのかな?と思っていたパーティー予定日の数日前に、幹事の連絡先も書かれていないおそろしく簡潔な案内はがきが届いていたのでした。うーん、この手際の悪さ……もとい、初々しさは、よほど若いスタッフが運営しているのだな。

正門は変わっていない様子ですが、中高時代はこちらからではなくもっぱら裏門から登校していました。しかし中庭から見上げる校舎の向こうに見える六本木ヒルズの偉容は、かつてはなかったものです。

牢名主……もとい、創部年代の皆さん。もちろん私も、その一員ではあります。

現役諸君が中心になって諸々の手配をしてくれたようですが、精一杯のもてなしの気持ちを感じました。

でも!男子校でこの飾り付けはアリか?手作り感があっていいと言えばいいのですが。それはさておき、式次第はこんな感じ。

正午開会ということになっており、もちろん我々は定刻前に会場に入ったのですが、実際に始まったのは12時45分でした。これもまあ、麻布らしいと言えば麻布らしいと言えるかも。

前顧問の広瀬先生の長尺スピーチは、前任の加藤先生からの引継ぎに際して「顧問はチェスを覚えてはいけない、何となれば……」と懇々と諭されたというお話でしたが、先生、ビールの泡が消えちゃいましたけど。というか真っ昼間の、それも中学生や高校生たちと一緒の場で、アルコールを出していいんでしょうか?ちなみに私は今月は断酒月間としているので、お茶をいただきました。また、OB代表で挨拶した岩崎さんは今年イスタンブールで開かれるチェスオリンピックの日本代表のひとり。この日は出席されませんでしたが4月にCheck Mate Loungeで話題となった小島慎也さんをはじめ、このクラブは日本を代表するチェスプレイヤーを数多く輩出しているのです。

それならとひとしきり食べるものを食べた後に、同期の松永の息子さん(高校1年生)と対局しました。

私にとっては、こうしてリアルに駒を動かしながら対局するのは実に15年ぶりです。最初の曲は白が私、次は黒が私。そして、さすがは松永!息子さんに「年長者を立てる」ということをきちんと教育してくれていました。

式次第ではダブルチェスとかリレーチェスとかのイベントがあると書かれていましたが、そこはこの学校のこと、てんでバラバラに対局が始まってしまいました。これもまあ、麻布らしいと言えば……(以下略)。

一方、すっかりチェスから離れている創部世代は、もっぱら広瀬先生とのおしゃべりに興じました。かつて職員会議で喫煙取締りが議題になったときに、むしろ体育館の裏などに不始末防止の水バケツを設置することを提案してそれが採用された話とか、家に遊びに来た我々の同期(もちろん高校生のときの話)に大事に隠していたワインを飲み干されて激怒した話などをして下さいました。だいたい我々の世代は、高校生の分際で酒の不祥事を起こすと「飲むのが悪いんじゃない、見つかるような飲み方をするのが悪い」と怒られたものです。しかし今の中高生はそこらへんの阿吽の加減がつかめていないようで、そのために学校側も過剰防衛に走らざるを得ない、それが残念だと先生は心を痛めておられました。

始まりがダラダラなら、終わりも三々五々。適当な頃合いを見計らって「ではお先に!」と会場を辞しました。運営に携わった皆さん、ありがとうございました。

ただ正直な感想を言えば、今回、40周年記念式典の運営を漫然と若い世代に委ねたために、貴重な区切りの機会をいまひとつこじんまりとした集まりにしかできなかったことは残念ですし、我々の世代のメンターであった加藤先生にお越しいただけなかったのも痛恨事です。加藤先生には、40周年記念式典は我々が盛大に!と約束していたのに。というわけで、次が45周年になるか50周年になるかは未定ですが、次こそは(図々しいとの謗りは承知ながら)我々が仕切らせていただこうと思った次第です。こういう時代ですから、Facebookなどのソーシャルメディアを活用したやり方が使えることでしょう。もっとも、そういう風に「群れる」のを嫌うのも、麻布生の特徴ではありますが。