中秋

2013/09/16

この日の朝、台風18号が豊橋付近に上陸。東京はさほど荒れませんでしたが、それでも強い雨と風のために、家の中でぼけっとしているしかありませんでした。さて、そうなると困るのが常時空っぽな私の家の冷蔵庫。扉を開けても、食べるものは何もありません。こういうとき、私はヘルマン・ヘッセの『シッダールタ』の一節を思い出します。

麗人カマーラの紹介によって商人カーマスワーミのもとを訪れた若い沙門シッダールタに対して、あなたがなしうることは何か、とカーマスワーミが問いかけると、シッダールタはこう答えます。

「私は考えることができます。待つことができます。断食することができます」
「それだけですか」
「それだけだと思います!」
「それが何の役に立ちますか。たとえば断食することが——それが何の役に立ちますか」
「大いに役に立ちます。食う物がないときは、断食が人間のなしうる最も賢明なことです。たとえばシッダールタは、断食することを学ばなかったとしたら、きょうのうちにも何かの勤めにつかねばならないでしょう。あなたのところにせよ、どこにせよ。空腹がそれを余儀なくさせるでしょう。しかし、シッダールタは静かに待つことができます。彼は焦燥を知りません。困ることを知りません。長いあいだ飢えに包囲されても、それに対して笑っていることができます。断食はそういう役に立ちます」

……残念ながら私は断食を学んだことがないので一日を空腹のままに過ごすことはできませんが、幸いにして午後には風雨もすっかり収まったので食事に出掛け、そのまま「登處 八丁堀」へ行くことにしました。どうせ行くなら何か手土産を、と渋谷マークシティ地下のモロゾフで買い求めたのが「お月見レアチーズケーキ」です。レアチーズケーキに、お月見をしているうさぎさんのデザインをマンゴーパウダーとホワイトチョコレートパウダーで表現したというこの商品はもちろん、中秋の名月(今年は9月19日)をイメージした期間限定商品ですが、月とうさぎという組合せはそのまま「登處 八丁堀」にぴったり。で、ジムに着いて総帥に引き渡すと、とたんにまたしても惨劇が始まりました。

7月のカメロンは車裂きの刑でしたが、こちらは等分に八つ裂き。酷すぎる……と言いつつ、私もおいしくいただきました。

そして、あらかじめ総帥が作って下さっていた今日の垂壁課題(足限定)はこちら。5番と6番の間くらいという話でしたが、リーチによってムーブと難易度が変わる課題だったようで、私の体感では4番と5番の間くらいという感じでした。総帥、次回もこの垂壁で勝負しましょう。