綟摺

2015/06/21

明けて日曜日は、朝寝してからそぼ降る雨の中、実家に顔を出してきました。

庭の芝生には、ネジバナ(別名モジズリ)が元気にピンクの花をつけていました。これはランの仲間ですが比較的普通に見られる花。私は、河原左大臣こと源融の次の歌もこのねじれて咲くモジズリを詠み込んだものだと思っていました。

みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに

しかし、ここに出てくる「しのぶもぢずり」とは「信夫毛地摺」。陸奥国信夫郡の特産であった、石に布をあてがって植物を擦り付けることで捩れるような染色を施した織物のことで、ネジバナとは関係がないようです。

さらに、夏の茶花の代表格とも言える宗旦木槿そうたんむくげに見入っているうちにヤブ蚊に刺されてしまい、慌てて屋内に戻って蚊取り線香を焚きました。いずれも、夏の訪れを如実に示してくれています。

……などと柄にもなく感傷に浸っていたせいか、形勢を大きく見誤って大敗。うーん、10数目も差がついているとは思わなかったな。

あとは、例によって燗酒をいただきながら両親との食事と歓談。母にしては珍しく寿司をとっていましたが、デザートのビワがまた季節感を演出しています。

しかし最も夏を感じたのは、実家を辞しての道すがらの空でした。

19時15分でこの明るさ。それもそのはず、明日は夏至です。