慈愛

2015/10/01

以前奈良県に勤めていたことがある旧友から、今年も恒例の「奈良大和路カレンダー」を頂戴しました。「結縁慈愛」と題したカレンダーに登場する今年の御仏は、次の通り。

  • 法隆寺・観音菩薩立像 (夢違観音)〈国宝〉
  • 大日寺・大日如来坐像 (五智如来中尊)〈重文〉
  • 矢田寺・ 十一面観音菩薩立像〈重文〉
  • 南明寺・薬師如来坐像〈重文〉
  • 報恩寺・阿弥陀如来坐像
  • 東大寺・弥勒如来坐像〈国宝〉

2014年に中宮寺・菩薩半跏像、東大寺・不空羂索観音菩薩立像など国宝4点、重文2点、2015年には興福寺・阿修羅立像、法隆寺・観音菩薩立像(百済観音)など国宝3点、重文3点を繰り出してきていたこのシリーズにしてみると、今年のラインナップはちょっと渋いセレクトという感じがしますが、最後の11・12月を支える東大寺の弥勒如来坐像はそうした印象を吹き飛ばすほどにインパクトあり過ぎです。

弥勒なのになぜ如来なのか?と不思議に思ったのですが(兜率天で修行中の身なので菩薩のはず)、将来の姿を先取りして如来にしているわけですね。しかし、この目ヂカラ抜群の弥勒が56億7千万年後に現れたら、救済を得る前にショックで人類は滅亡しそうです。そのことを、カレンダーを贈ってくれた旧友に御礼かたがた伝えてみると、こんな返事が帰ってきました。

あの弥勒如来は奈良国立博物館で見たことがあります。50センチくらいで小さいのに面相と降魔印が不気味で、試みの大仏とあったので、これがデカくなって大仏殿に収まってたら大変だよと思いましたね。

確かに……。