和物
2016/01/15
金曜日、国立能楽堂での観能を終えた後、新宿歌舞伎町に足を伸ばしました。歌舞伎町に足を踏み入れるのは、ずいぶん久しぶりのような気がします。
目当ては「カブキラウンジ」で毎月開催されているDJイベント=Light Mellow Summit。知人のDJはたPこと波多野氏が参加するこのDJイベントは、同氏も執筆に加わったディスクレビュー『Light Mellow 和モノSpecial』を核に、和モノをかけまくるという企画だそうです。
ミラーボールが弱々しくも妖しい光を投げかける比較的広めの空間では、DJ陣が次々に自慢の和モノをかけていました。ここで言う「Light Mellow」の定義は、次のようなものだそうです。
メロウなテイストとグルーヴ、ハイブリッドな感覚をキーワードにしたサウンド・スタイル。シティ・ポップスを中心に、J-AORや和製レア・グルーヴなど、心地良い音楽だけを抽出しています。
上記の定義だけを見ると、これまで自分が好んで聴いてきた音楽の対極にあるジャンルのような気がしますが、実際にここで聴いてみると意外に引き締まっていたりアゲアゲだったりして、違和感は感じません。もちろんはたP氏も、秘蔵のディスクを惜しげもなくターンテーブルに乗せては、DJ仲間の賞賛を集めていました。かっこいいなぁ。
Decent Workの加藤氏と共にはたP氏のコーナーをひとしきり聴いた後、いずれまた一緒にイベントをやりましょうと約束をして早めに「カブキラウンジ」を辞し、「アカシア」でロールキャベツを食べながら加藤氏とさらなる音楽談義に耽りました。オリジナル曲オンリーのアンチテーゼとコピー曲中心のDecent Workの二つのユニットでピアノとボーカルを担当している加藤氏ですが、オリジナルばかりでは自分ができる範囲の音楽しかやらなくなるのに対し、コピーの方がはるかに難しくかつ勉強になり、自分の限界を押し上げてくれるという話には、なるほどと深く頷かされました。