良性

血管腫摘出の顛末。

2017/05/30

数年前から左の肋骨の上にしこりのようなものがあることに気付いていたのですが、生活に困ることもないのでそのまま放置してきました。しかし今年に入って、上から押さえると軽い痛みを感じるようになり、そろそろ潮時か?と思って5月30日に病院へ。診てもらったのは皮膚科で、どことなくムーミンパパのような雰囲気の医師はしばらく触診をした後、1週間後にMRIによる確認を行うよう指示しました。

2017/06/07

MRIでの確認の結果は、皮膚の直下とさらにその下に合計二つの腫瘍があるとのことで、良性とは思うが手術で摘出し、検査に回す必要があるとのこと。しかし、夏にはヨセミテ旅行が控えていてクラック特訓モードに入ろうとしていた私は、どうせこれまで何年も放置していたのだからと医師に「クライミングの端境期になる11月でもいいでしょうか?」と話したところ、医師も仕方ないですねえという表情で了承してくれました。

おかげさまでヨセミテ旅行は楽しく終わり、秋のクライミングシーズンも雨に祟られながらも最低限これは実現したいと思っていた一ノ倉沢二ルンゼの回収山行が滞りなく終わったところで、いよいよ病院通いを再開することになりました。

2017/10/03

まずは再診察の上、手術の手順の再確認。出来合いの書式に医師が手書きで絵を描いていろいろ説明してくれたのですが……先生、この図は男子限定とは言えわかりやすいですなあ。

2017/11/10

いよいよ手術当日。看護師さんたちにとても優しくエスコートしてもらって手術室に入りました。ムーミンパパも「何かあったら遠慮なく言って下さい」と声をかけてくれながら、麻酔〜切開〜摘出〜縫合と進んだのですが、痛かったのは最初の局所麻酔の場面だけ。あとは手術台の上でリラックスして横になったまま、先生と助手(?)が「お、これかな」「はい」といった会話を交わすのを聞いているだけの1時間弱でした。

手術終了後に摘出したモノを見せてもらったのですが(写真は自粛)、しこり自体はほんのわずかの膨らみに過ぎなかったのに、ホルマリン漬けの小瓶に入っているそのモノは差しわたし3cmくらいの肉塊状で、意外に大きいことに少し驚きました。さらに、今日は風呂は禁止、明日以降はシャワーと半身浴ならOK、といった注意を受けましたが、

先生、この図もわかりやすいですが、患者が女性の場合はどういう絵になるんですか?

2017/11/11

通院してドレーンを抜いた後はバカでかかったガーゼは用無しとなり、以後は一日1回、自分で傷口を消毒しては絆創膏を貼る毎日です。生活上特に困ることはありませんでしたが、やはり最初は少し痛むのと、皮膚が引っ張られている感じがしてあまり気分のいいものではありません。終わりの方ではそうした違和感も減ってきましたが、糸が棘のようにちくちくする感じがして、一日も早く抜糸してほしいと願う毎日でした。

2017/11/17

1週間がんばってこの日、待望の抜糸。しかも、予定より2週間も早く検査結果が出ていました。結果は「悪性所見はありません」とのこと。

右上にパパ先生の赤ボールペンで書かれた「良性」の文字が光ります。乳がんや悪性リンパ腫のために友人たちがQOLを大きく損ねた様子を間近で見てきている身としては、本当に安堵しました。親からもらった身体に傷をつけてまで検査をした甲斐があったというものです。パパ先生、ありがとうございました。

やれやれ、これで心おきなくお酒も飲めるし、クライミングジムにも通えるようになりそうです。しかし、11月をほとんど無為に過ごしたおかげで、目の前のアイスクライミングシーズンに向けた筋力トレーニングが決定的に不足しています。これからスポーツジムとクライミングジムの両方を使って取り返していかなければ。