酒練

2017/11/19

快晴の日曜日、リハビリのために奥多摩の御岳山へ。

ケーブルカーの終点にある展望台から見た眺めは広闊。正面右手にスカイツリー、左手に筑波山が見えています。この絶景が何の苦労もなく手に入るのですから、お金の力というのはすごいものです。

下界は日が差さず寒い思いをしましたが、山上の参道は日が当たってぽかぽかと暖かく、快適です。紅葉は盛りをやや過ぎた感じで、縮れてしまっているものが多かったのですが、それでも楽しい20分余りの歩きで武蔵御嶽神社に到着しました。

貧乏よけの御守りが欲しい……と思いましたが、その前に御朱印に500円をはたいていたのでここは断念。このセコさが金持ちになれない原因なのかもしれませんが。

拝殿の裏手に回り、奥の院を遥拝。あそこまで歩けばそこそこ充実した山歩きになりますが、今日はここまでで引き返すことにしました。

帰路の目線で見ると紅葉の雰囲気がまた違います。太陽の角度が多少変わったからかな? 下界に降りて「いもうとや」に入ったのですが、かなりの待ち時間がかかりそうなので、待機リストに名前を書き入れてから玉堂美術館へ向かいました。美術館前の大イチョウの黄葉も見事です。

玉堂美術館は前にも入ったことがありますが、毎度思うのは、晩年の自在の境地も若年の頃の精緻な写生の積み重ね(十代の写生帳も展示されていますが、その写実技巧には息を飲みます)の上に成り立っているのだなということです。

結局「いもうとや」で席に案内されたのは、記帳してから1時間半後でした。紅葉のハイシーズンだから仕方ないか。それでも以前のように豆腐主体の膳ものが選べればまだしもですが、現在はそうした食事系は系列の「豆らく」に任せて「いもうとや」は軽食と喫茶にシフトしているため、食事は豆彩麺 (豆乳湯葉うどん)の一品のみ。このことにあらかじめ気付いていれば、「いもうとや」はパスし渓谷沿いの道を一駅歩いて「豆らく」に向かい、待ち時間の間に小澤酒造の利き酒処で軽く一杯(が二杯、二杯が三杯……)としていたことでしょう。

それでも利き酒セットと豆彩麺はそれぞれにおいしく、それなりに満ち足りた気分になって小澤酒造を目指しました。とけソフにも久しぶりに触りましたが、ツルツルで邪悪な感じは相変わらずです。

遠目に忍者岩の賑わいを眺めながらのんびり遊歩道を歩いて、これまで何度も来ている小澤酒造の利き酒処に到着しました。ぐい呑持参でいただいたのは、「凰」王者の品格と優雅な香り、「芳醇参拾伍」気品溢れる純米大吟醸、「蔵守」純米古酒、輝く黄金色

これのどこがリハビリなんだ?と思われるかもしれませんが、まずは10日余り封印していたお酒を解禁して肝臓のリハビリから着手したというわけです。実際のところ、この何でもない歩きの中でも手術痕が多少疼く感覚があったので、本格的に身体を動かすのはあと1週間くらいしてからになりそうです。