花華
職場の先輩方との定期飲み会=「二水会」の発展系の旅行イベントとして、今年は鬼怒川温泉のさらに奥にある湯西川温泉へ。
2018/01/28
参加者5人のうち1人は新潟から、1人は越谷から、そして3人は北千住で合流して東武線で、それぞれ現地を目指します。
まあこの会はひたすら飲むというのが恒例ですが、今回も昼前出発の特急の中でさっそく酒盛りが始まりました。ビールで喉を湿らせた後に登場したお酒は、鳳凰美田の「Black Phoenix」。やや甘みの強いフルーティーさが特徴です。
鬼怒川温泉駅で乗り換え待ちの間に見たSL。観光客向けに活躍しているようですが、残念ながら我々が乗る列車は普通の電車でした。
さらにもう一度乗り換えて着いた湯西川温泉駅は、さすがに雪国の風情。この日の宿「花と華」の迎えのバスに乗って温泉街に向かいました。
先ほどの「Black Phoenix」に加え、東薫の大吟醸「叶」、越乃寒梅の純米吟醸「灑(さい)」。そして自家製のからすみと「鮭の酒びたし」がテーブルに並びました。しかし、あまり飲みすぎては風呂に入るのが危険になると自制心が働き、飲むのはそこそこにして入浴することに。
川に向かって下る斜面の途中に露天風呂がしつらえられており、無雪期は周囲の木々が豊かな緑や紅葉を見せてくれるようですが、今の時期は一面の雪景色。それでもお湯は熱いほどでした。
この湯西川温泉は、平家の落人部落であったという言い伝えがあり、宿の中にもそうした雰囲気を漂わせる装束やら甲冑やらが展示されていました。温泉地としては400年余の歴史があり、Wikipediaの解説によればこの地では今もなお端午の節句に鯉のぼりを揚げない、たき火をしない(煙を立てない)、鶏を飼わないなど独自の風習が残っている
とのこと。
食事はご覧のように掘り炬燵式の囲炉裏を囲んでいただく「平家お狩場焼」というもので、その昔、平家の落人たちがその日の狩猟で得た獣肉や川魚、山菜を焼いた河原の石に味噌で土手を作って焼いた料理を再現したものだそうです。そして、たらふく食べた後は、湯西川温泉の冬の風物詩である「かまくら祭り」へ。平家の里なのに鎌倉?と思ってはいけません。雪で作る、あの「かまくら」です。
宿のバスで送ってもらって会場へ。全部で5ヶ所の会場があるようですが、この日はミニかまくらとメイン会場とを見て回りました。ミニかまくらは川に面した緩やかな斜面にバケツ大(実際バケツで作るらしい)でろうそくの火を灯した小さいかまくらがずらっと列を作っていて、なかなか幻想的な光景です。
一方メイン会場は、どうやら無雪期は平家の昔を偲ぶ施設らしいところに雪の通路や大きなかまくらが作られていて、そこを巡る趣向です。
何がどうということもないのですが、それでもこれだけの雪に親しむ機会は(山登ラーである私を除いては)あまりないので、一同大いに楽しみました。アジア系のお客も多く、マレー系のカップルに頼まれて雪景色の中で記念写真を撮ってあげましたが、とても楽しそう。台湾系のお客も多かったようです。我々は、ひと通り見て回ったら宿に戻って、後はまたしても酒宴です……。
2018/01/29
8時間たっぷり寝て二日酔いもなし。気持ちの良い目覚めです。
これまたボリュームのある朝食をとって、実に行き届いたもてなしを受けた宿に別れを告げて、この日は日光へ足を延ばすことにしました。バス待ちの時間を使って宿のすぐ近くにある神社を覗いてみましたが、ここは湯殿山神社だそうです。出羽の山伏がこの辺に出入りしていたということなのでしょうか?
昨夜の飲み残しの三種をブレンドした怪しげなお酒を飲みながらの移動。この日は月曜日なので列車は空いています。そういえば昨日の湯西川温泉もそうでしたが、アジア系外国人観光客とヤングママ友同士(もちろんそれぞれ子連れ)の姿が目立ちました。
男体山を正面に見ながら列車は東武日光駅に到着。バスに乗って東照宮へ向かいます。ここには2016年の秋に来ていますが、そのときは三猿も陽明門もまさかの修復中だったので、これらをちゃんと見ることが自分の目標です。
見ざる言わざる聞かざる!いずれも元気そう。
あれが修復なった陽明門!その姿をちゃんと見るのは、おそらく小学校のときの遠足以来(つまりほぼ半世紀ぶり)だと思われます。
実に見事というほかはありません。サイズこそ小さいものの、この意匠の見事さは全世界に対して誇れます。
雪の日光もいいですなあ。
最後は日光名物ゆばそばをいただいて〆。帰りの列車はさすがに酒宴とはならず一同爆睡でしたが、ともあれのんびり楽しい旅でした。しかし、この1泊2日で体重が2kg増えてしまったことを、このときの私は知る由もありませんでした。