塾長の備忘録

塾長の備忘録

私=juqchoの日常の雑感を不定期に綴る、個人的な備忘録。

岩国

厳島神社参詣を終えて、さらに1日のゆとりを使って岩国観光。こちらは岩国城と錦帯橋が有名ですが、内心は獺祭の旭酒造見学(という名の試飲)がお目当てです。

2018/11/25

厳島からフェリーに乗って対岸に渡り、JR山陽本線で岩国駅へ移動。バスに乗って約20分で、前から一度見たいと思っていた錦帯橋に到着しました。

じっくり見るのは明日に回すことにして、まず一通りその美しいフォルムを目につけたことに満足してから、この日の宿へ向かいました。

宇野千代さんゆかりの宿「半月庵」で、岩国の洗練された食文化を味わうの図。右上の吸物に入っているのは岩国名産の蓮根の真薯、右下の押し寿司は岩国寿司です。

食後に散歩に出てみると、錦帯橋がライトアップされていました。これまた風情があっていい感じ。橋の上を歩いてみると、アーチ部の勾配の強さが実感できます。

2018/11/26

岩国城

岩国は古くから山陽道の要衝とされており、平安末期には平家方の岩国氏、その後鎌倉時代には上述の厳島合戦にも名前が出てくる弘中氏がこの地を治めましたが、現在の姿に整備されたのは関ヶ原戦後のこと。敗戦によって毛利家が広島から萩に移り、その分家である吉川家も米子から岩国に移封されてから、錦川の右岸に張り出してその流れを屈曲させる横山の山上に横山城、麓に土居と呼ぶ居館、そして錦川の左岸に城下町がそれぞれ整備されました。錦帯橋はこの土居と城下町とをつなぐ木造橋で、それまでたびたび流されていた橋に変わって洪水にも耐えられるものとすべく、独特のアーチ形状をもって延宝元年(1673年)に建造されています。その後、折々の架け替えを経ながら現代まで当初の姿を維持していたのですが、昭和25年(1950年)に台風で流失し、その3年後に復元されて今日に至っています。

橋は六個の橋脚の上に片持ちの梁をせり出した五連橋となっており、釘を1本も使わず組木の技術によって組み上げられています。河原に降りて下から見上げれば、その複雑な構造美を堪能することができます。

橋を渡った先は、吉川家やその家臣団の居宅跡を整備した吉香公園になっています。時間があればこの辺りもゆっくり見て回りたいところですが、時間の都合で先を急ぐことにしました。

横山の上に建つ岩国城へは麓からロープウェイが出ているのですが、その営業開始時刻まで待てないので徒歩で山上に登ることにしました。左から大きく回り込むようにして横山の上へ通じる車道をおよそ30分ほども歩くとロープウェイ山頂駅のある一角に達し、そこから山道歩きとなりました。

案内図に描かれている左側のスペースがロープウェイ山頂駅周辺、右側が岩国城で、この図の下側の細い道を辿るとまず出丸跡に達し、階段を上がると二の丸広場。右にスロープを上がれば本丸で、そこに再建天守が建っていました。本来の天守はこの場所ではなく北側の斜面にあり、そこには石組みの天守台が残されていますが、昭和37年(1962年)の復興天守建造にあたり麓からの見栄えを考慮して現在の場所に建てたのだそう。

桃山風南蛮造りを標榜する鉄筋コンクリートの天守の中には刀剣類や錦帯橋の模型や岩国にゆかりの人々の写真などが飾られており、これらを眺めながら階段を登っていくと、最上階からは錦帯橋の向こうに海まで続く岩国の市街を見下ろすことができました。

天守閣を降りて、ようやく動き出したロープウェイで吉香公園へ。

麓の吉香神社は神様ではなく吉川家の祖霊を祀る神社で、独特な屋根の形状が高度な建築技術を窺わせます。そして錦雲閣は旧藩時代に三層の櫓があった場所に明治になってから建てられた絵馬堂。こうして見るもの触れるものの一つ一つに歴史の重みを感じながら、再び錦帯橋を渡り返しました。

旭酒造

旅の最後の目的地は「獺祭」で有名な旭酒造です。アクセスが簡単ではないため、錦帯橋の近くからタクシーを奮発しました。

周知の通り、旭酒造の「獺祭」は純米大吟醸オンリー、しかも杜氏の手を借りず近代的な設備を用いた四季醸造による大量生産を実現した異端児的な銘柄です。前から一度その生産の様子を見てみたいとおもっていたので、今回の岩国に合わせて酒蔵見学を工程に組み込んだのですが、これは正解でした。

最初にスタイリッシュな若社長さんが簡単なブリーフィングをして下さった後、案内役の従業員の方が精米〜洗米〜蒸米〜製麹〜仕込〜発酵〜上槽〜瓶詰と続く一連の工程のうち洗米、発酵、瓶詰の様子を見せて下さいました。こうした酒蔵見学はこれまでにも何度か経験があり、それらと比べて極端に違いがあるという印象は受けなかったのが逆に意外だったのですが、ポイントとなるのはやはりデータ中心主義のようです。試し、データをとり、改良を加えることの繰り返しの中で、機械に任せられることとそうではないところを峻別し、人手をかけるべきところには人手をかけるという合理的な思考の存在を感じました。

勉強が終わった後にはお楽しみの試飲タイム。唎酒セットは右から左へ「純米大吟醸50」「純米大吟醸磨き三割九分」「純米大吟醸磨き二割三分」。さらに「温め酒」もいただいていい気持ちになってきましたが、この日のうちに広島空港からの飛行機に乗らなければならないため、心ゆくまで飲むことができなかったのが残念でした。