校歌
2021/01/17
この週末、土曜日は家で山道具の整理、読書、久々のオンライン飲み会。
シーズン真っ盛りの甲信越の雪山に行けないのは残念ですが、各県の知事が県民に一都三県との往来自粛を要請している事実は重いですね。裏返せば「東京都からの来訪は歓迎しない」と明言しているところへ、こちらの都合(しかも遊び)でリスクの押売りを仕掛けることはできません。二度と山に登れないかもしれないと思いながら応召して南方の戦場に向かった松濤明よりはまだましだと考えることにしました。
それはさておき。
オンライン飲み会も終わって暇になった夜中、ふと思い立ってキーボードの電源をオン。昨年亡くなった父の遺品の中にあった、父の母校である弓削商船学校(昭和25年機関科卒業)の歌集の中から同校の旧校歌を弾いてみようと思ったのですが、コード進行はこんな感じかなと音を拾ってみて(赤)知人に添削を求めたところ、「原案も間違いとは思わないが」と前置きをしつつ
- 曲の性格や時代背景からしてマイナーコードは使わないだろう
- 2行目と3行目は起承転結の承と転なので3行目のみ4小節目をCとする
- 4行目の3小節目は2小節目から続けて単純にCとした方が昔っぽい
と修正してくれました(紫)。
修正されたコードで弾いてみると確かにしっくり、なるほどなあ。上記のように曲の構成を見通す視点は私にはないものです。
一夜明けて日曜日に弾いてみたのが、この動画です(3行目3小節目を間違えてしまった)。歌詞の内容からしてもっと景気の良い音色が似合いそうですが、ここではノスタルジックな雰囲気がほしくて「田舎の学校から村に流れる夕焼け小焼けのメロディー」風の音にしてみました。
- 弓削の商船学校は 瀬戸内海の要枢に 当れる小島の島影の 青松白砂のくまにあり
- 空をも磨するこの甍 祖国のために捧ぐべき 海国男子の心身を きたえんとする母校なり
- 朝な夕なに師の君の 教えかしこみ励みつつ 苦に堪え難に打ち勝ちて 臨機果断の用意あり
- 従順温雅な振舞に 剛毅不撓の魂を こめたる様はさも似たり 綿に包める鉄一魂ママ
- やがて学なり世に出なば 願える海上生活に 平常習いし学業を 応用せんもいと楽し
- 順風波なき春の朝 利便を開く津々の道 怒濤さかまく冬の夕 我に義侠の腕はあり
- 海員たる身の本分を 尽して汚さぬ我が校名 潮路遥かに外国に 渡らば揚げん我が国威
- 昭和の御世に幸を得て 何をか報いまつるべき 山より高き国の恩 海より深き師の情
こういう歌集があるとあらかじめ知っていれば、存命のうちに音にして父に聞かせてあげられたのですが、これも今となっては言っても詮無いことです。