書斎

2021/09/08

『エール大学の書斎から』(浜田宏一)再読。本書は1986年からエール大学の経済学教授として米国に住む著者が、自身の体験をベースにさまざまな観点からの日米比較を行い、これを軽い読み物としてまとめたものです。ただし本書の初版第一刷発行は1993年とかなり古く、この年は米国では共和党のブッシュ(父)から民主党のクリントンに大統領が交代し、一方の日本の首相は宮沢喜一氏(1991年就任)という時代です。

私が本書を初めて読んだのは、今からちょうど20年前の2001年でした(入手したのはもっと前ながら「積ん読」期間が長かったと記憶しています)。その後この本は断捨離の対象となったのですが、最近になってひょんなことから思い出して読み返したいと思いAmazonで再び買い求めたところ、届いた本は2013年発行の初版第三刷。この間の1995年に第二刷が発行されていますが、それにしても18年もの間隔をあけて本書が再発行されたのは当時の著者がアベノミクスとの関わりにおいて注目されていたかららしく、本書の帯にも「アベノミクスの原点」「緊急重版出来!」とでかでかと書かれていました。

したがって本書を読みながら、その背景にある1990年台前半の社会経済情勢(ちょうどバブル崩壊の初期)を振り返り、あわせてアベノミクスの命題の原点をも探るという、ちょっと面白い読書体験をすることができたのでした。