兎娘
1998/10/22
39回目の誕生日、新宿三丁目の某クラブへ、勤め先のM顧問に連れて行っていただきました。もともと会社関係の学者を接待するための店を探す話がいつのまにか私の誕生日をバニーガールとともに祝おう、という企画にすり替わってしまったものですが……正直に言います。本当に楽しみにしてました。この日のこの時間を捻出するために、月曜日から水曜日まで連日3時間睡眠の苛酷な労働に耐えたくらいです。
当日、職場のアル中軍団の皆さんからグリーティングメールをもらいましたが、実は前週金曜日に取引先の部長と赤坂見附でしこたま飲んで、翌朝気付いたら自宅のリビングでホームレス状態(しかも上半身すっぱだか)だったことを自ら暴露していたので、
本日のバニーのゆうべの後、トラになって下半身までお脱ぎになりませんよう
お誕生日おめでとーございます。もう大人なんだからパンツ脱がないでねー。
などと暖かい(?)言葉もいただきました(パンツは脱いでいません!)。
18時半に新宿三丁目のホームでM顧問と待ち合わせ、ただちに地上へ。M顧問は通いなれた店なのかすたすたと歩みを進め、私はあたりをきょろきょろしながら後に続くばかりでしたが、M顧問はとあるビルについと入り、エレベーターで八階の某クラブを目指します。さすが会員制のクラブ、入口にはメンバーズカードを確認するカードリーダーが設置されていましたが、操作法を御存じないM顧問は「わからねえや」と言いながらかまわず横の呼鈴を鳴らすと、なぜか入口のドアがすっと開きました。受付の女性がきちんと制服を着ていることに一瞬落胆した私でしたが、それは杞憂で、すぐにバニーのお姉さんが出てきて我々を席まで案内してくれました。
M顧問が席に着いてタバコを口にくわえるや否や、ただちにバニーガールが寄ってきて、胸元に差したライターを取り出し火をつけてくれました。「おおっ、これが噂の秘技・胸ライターか!」と感動しましたが、いざその場に立ち至ってみると最初のうちは目のやりどころに困ってしまいます。その後はM顧問がキープしているウイスキーを水割りにし、軽食を数品注文して談笑。フロアにはピアノとギターの生演奏もあり、「Happy birthday dear ○○サン〜♩」と歌ってもらえました。
さて、しばらく様子を窺ううちに気付いた点をいくつか。
- バニーさんたちのコスチュームは、意外にバラエティに富んでいます。お店に入るまでは黒一色を想像していたのですが、実際には青系が多く、さらにトロピカルな柄物もあり、単純ではありません。
- バニーさんたちのプロポーションもいろいろ。細い人もいればふくよかな人もあり、まっ平らな人もいて、必ずしもスリーサイズが採用基準とはなっていない模様。
- バニーさんたちは客の飲み物や食べ物が少なくなると見るや、ただちに寄ってきて注ぎ足したりお皿を片づけてくれます。つまり!バニーさんたちに親しく接したいと思う客はどんどん食べて飲まなければならないシステムになっているわけで、男性心理の機微を突いた巧妙な戦術と言わざるを得ません。この点にいち早く気付いた私は、普段よりペースを上げて水割りを飲み干しましたが、気配りのきくM顧問がただちに手をあげてフロアにいる店長(男性)を呼び付けるため、なかなか目的を達することができませんでした。
21時半、たくさん食べ、ウイスキーのボトルを空にして、名残り惜しいクラブを後にしました。