跋扈

2000/06/18

数日前に、昨年八ヶ岳へ登ったときに泊まった赤岳頂上小屋(写真は1999/06/12撮影)から「山からのたより」というハガキが届きました。早い話が「今年も泊まりに来て下さいね〜」というお誘いです。この赤岳頂上小屋は、八ヶ岳の最高峰である赤岳(2,899m)の文字通り頂上にある山小屋で、素晴らしいロケーションと従業員の温かいもてなしで好感度大の山小屋です。

で、そのハガキには以下のような記述が……。

さて、「山は混む!」と思っている皆様にお知らせ。例年7/20(海の日)を皮切りに7、8月の土曜日が混雑しますが、早目に御予約いただければ優先的にスペースを確保しています。大体2畳に3人位です。

……こ、混むな〜。以前、中央アルプスの木曽殿山荘で布団1枚に3人=寝返り不可という辛い泊まりを経験しているので驚きはしませんが、優先予約でこれでは、飛び込みの客はどうするんでしょう(ちなみに、山小屋は予約なしでも登山者を受け入れるのが原則)。

こうした混雑現象は、実はここに限らずあちこちの山小屋で起こっていて、その背景には企画ツアーによる中高年団体登山の横行があるのではないかとにらんでいます。近頃、お金と時間はあるが経験も技術もないぞ、と明るく開き直る中高年登山者の方々が新聞社やら出版社やらの企画するガイドつきのツアーで稜線を跋扈しており、こじんまりと静かな山旅を楽しみに来た善良な(?)一般登山者はたじたじ。1パーティー20人とか30人とかでぞろぞろと引率されて歩いて、一体何が楽しいんだろうと大いに疑問ですが、とはいえ高度成長期を支えてくれた世代の人たちが、やっと自由になった自分たちの時間を山に振り向けることについて、あまりネガティブにとらえることもはばかられるような気がしますし、なんともスタンスの取り方が難しい問題です。

いずれにせよ、八ヶ岳には積雪期でなければもう行く気になれないなぁというのが、このハガキを見ての結論です。