戦士

2000/10/22

駅の売店でふと目に止まって懐かしさにビックリしたのが、このヒロイック・ファンタジーの傑作『エデンの戦士』。高校生だった頃に真崎守のコミックで読んで惹きつけられ、学校のすぐ近くにあった都立中央図書館で田中光二の原作を夢中になって読んだ本です。

地磁気の逆転による放射線の脅威の中で人類の種を保存するために紀元2600年に人工冬眠させられたひと組の若い男女が、2000年の眠りの後に男はハワイで、女はヨーロッパで目覚め、放射能により変わり果てた自然と暴走した生命工学の産物であるさまざまな異形の生物たちが支配する世界を、互いのまだ見ぬ姿を求めて旅するというお話で、気持ちよいスピード感に読み出すと止まらなくなります。

この本は1978年に角川文庫から出されていたものを底本にして、ハルキ文庫として今年10月18日に再び発行されたもの。ハルキ文庫?と一瞬首をひねりましたが、早い話が角川春樹事務所でした。田中光二ではほかに大好きだった『異星の人』も文庫化されているので、これも見つけたら買うつもりです。