負傷

2000/12/17

12月10日に、山で負傷しました。八ヶ岳の裏同心ルンゼでのアイスクライミング中に、最後の氷瀑=F5で上から落ちてきた氷の塊を右大腿部に当てたものです。

これまでも登山中の擦り傷・切り傷や向こう脛のアザなどはごく当たり前でしたが、今回は当った氷にはね飛ばされるほどの衝撃で、もちろん登攀は中止。懸垂下降を繰り返して登山道まで戻ってから、右足を引きずりながら2時間で登山口へ帰り着きました。月曜日に病院で見てもらったところでは骨には異常なしとのことなので一安心。湿布薬と痛み止めをもらって夕方から職場復帰しましたが、膝の凹凸がわからなくなるほど足がパンパンに腫れ、まるで太ももにギプスをはめているような感じです。

そうなってみて気付いたのは、片足が不自由な者にとって日常の通勤経路はいかに歩きにくいかということ。自宅から井の頭線の神泉駅へ向かうと駅の手前に緩やかな下り坂があるのですが、まずここで難儀します。幸い神泉駅にはエレベーターがあり、これでホームにおりて渋谷まで1駅。渋谷駅構内は井の頭線と山手線がほぼ同じ高さにあるので問題ありませんが、次の難関は新宿駅で、地上2階のJRのホームから地下2階の丸の内線ホームまで延々と階段を下らなければなりません。丸の内線の新宿駅にもエレベーターがあることはあるのですが、山手線側から下ったいつもの改札口ではなく140m先の別の改札まで歩かなければならず不便。なんとかひょこひょこ階段を下って丸の内線に乗れば、新高円寺の駅から会社までは徒歩0分でやっと到着です。こうしてみると、身体障害というのは社会生活を営む上で本当に大きなハンデであることがよくわかります。

日にちがたつにつれて腫れは徐々にひいてきたものの、それと引き換えに赤紫のあざが浮き出てきており(当ったと思われる部位の反対側に現れるのが不思議)、また膝の周囲の皮膚の感覚がなくなっているなど後遺症は残っていて、完治までにはまだ日数がかかりそうです。しかし、受傷後3日目の夜に筆頭株主との忘年会に参加し、べろんべろんに酔っぱらって赤坂見附から自宅まで約5kmの道のりを歩いて帰れたのですから、山に復帰できる日もそう遠くないに違いありません。