人形

2001/05/13

ゴールデンウイークに行ってきたミャンマー旅行の自分への土産は、この2体の人形でした。

伝統的な装束に身を包んだ男女一対の人形は、その名前も由来もわかりませんが、もしかするとタウン・カラッの礼拝堂で見たナッ神のうちミン・マハギリとその姉かもしれません。この二人については、次のような由来譚があるそうです。

ミン・マハギリは、人間であったとき、タガウン国に住むウーティンデという鍛冶師だった。タガウン王は彼の力を恐れ、彼の姉を王妃として迎え入れた。それでも安心しなかった王は彼を王宮に招いたが、それは計略だった。彼はジャスミンの木の下で焼かれてしまう。それを見た姉も炎に飛び込み焼け死んだ。王は王妃を救うべく火を消そうとするが、時すでに遅く、焼け残ったのは彼らの首だけだった。ウーティンデと姉はジャスミン樹に住むナッ神となり、木陰で休む人々を襲った。王の命令で木は切られ、エーヤワディー川に流されるが、バガン近くに漂着し、なお人を襲いつづけた。そのころ夢の中でお告げを聞いたバガン王は、ふたつの首をポッパ山に奉納した。それ以来ポッパ山の守護神となった。

この由来を知った後で見ると二人とも壮絶な体験を経てここに来ている(?)のだなと少し怖くなってきますが、幸いなことにミャンマーの家庭ではミン・マハギリは金色の椰子に姿を変えて、家の守護神として敬われているそうです。