入替

自宅の3台のMac(iMac Rev.B / Performa 5320 / ColorClassic II)は、それぞれ異なるOSを積んでいます。居間にあってもっぱら楽器の練習の際にMIDIファイルでバックバンドを担当させているColorClassic IIは漢字Talk7.5.1で、ConnectixのRAM Doublerとの相性もよくて実装メモリ8MBでもクラッシュ知らずによく働いてくれています。書斎のiMacの方はMac OS XとそのClassic環境であるMac OS 9.1であり、その隣のPerforma 5320がMac OS 7.6です。このPerfomaを引き続き使っている理由の一つは、前々から使っているスキャナがSCSI接続だからですが、もう一つの理由はパノラマQTVRを作成する「PhotoVista」がMac OS 9.1上で正常に動作せず(画像のマージはできてもQTVRの書き出しができません)、したがってMac OS 8.x以前の環境を維持する必要があるということにありました。

ところが、このPerformaがずいぶん前から調子が悪く、起動してもシステムを認識しなかったり、稼動している途中でハードディスクの回転が落ちてクラッシュしたりということを頻繁に繰り返していました。PRAMのクリアやハードディスク初期化・OS入れ直しなどをしても効果がなく、次に内蔵電池を交換してみましたが、やはり症状は変わりません。

これはハードディスク自体に問題があるのかと思い、ハードディスクを入れ替えてみることにしました。

2001/05/18

夜、所要時間は長くても1時間と見込んでからPerformaの裏を開きました。Performaのハードディスクはごく一般的なIDE接続。データケーブルと電源ケーブルを抜き、ハードディスクの下にある爪をマイナスドライバーの先で持ち上げた状態で指をこじいれて手前に引き出すと、簡単にはずれます。ハードディスクは「そり」のようなパーツの上にねじ止めしてあり、これをはずして新しいハードディスク(富士通製MPG3102AT/B)に交換してから元の位置に戻しました。この間、所要時間は実際には20分くらいのものでした。

ところが……システムの入ったCD-ROMから起動してOSをインストールしようとしても、なぜか新しいハードディスクが認識されません。あれこれ試行錯誤してみましたが、Performaはまったくハードディスクを見つけてくれないどころか、試しに元に戻したもともとのハードディスクすら認識しなくなってしまいました。どうやら、ハードディスク交換作業の際にデータケーブルか電源ケーブルのいずれかにダメージを与えてしまったようです。長く続いていた不調も、ハードディスク自体の不調ではなくこのケーブルに問題があったのでしょう。あるいは電源ユニット自体の問題かも?ともあれ、この時点で既に24時を回っており、翌日は朝からフリークライミングの練習に行くことになっていたので、作業はここでいったん打ち切ることにしました。

ひとしきり悩んだ末に、Performaを復活させてiMacとの併用を維持するよりも、むしろiMacに環境を集中させる方向でまず事態を解決し、Performaの修理はその後時間があいたときにゆっくり取り組むことにしました。幸か不幸か、長らく使ってきたスキャナは取り込んだ画像が少々斜めに歪むという問題をかかえており、またSCSI-USB変換ケーブルは何千円もするので、思いきって安くて新しいスキャナを買った方がベター。Mac OS 8.x環境を残すためには、iMacのハードディスクにパーテーションを切ってそこへインストールすればよいのですが、iMacのオリジナルのハードディスクは4GBしかなくてちょっと力不足なので、Performaに入れるために買った10GBのハードディスクと入れ替えることにしました。

2001/05/24

週の始めから風邪気味で寒気がする上に身体の節々が痛いなか仕事をしていたところ、夜に予定されていた会議の事務局が「今日の会議の内容なら○○さんの出番はありませんから、今日は無理せず早く帰って静養して下さい」と暖かい言葉をかけてくれたのに甘えて定時で帰宅。寝間着に着替え、ちゃんちゃんこを羽織って万全の態勢を整えてから、この好機に作業に取り組むことにしました。

まず、あらかじめ買ってあったUSB接続のハードディスクケースに10GBハードディスクを入れてiMacにつなげ、Apple標準のユーティリティー「ドライブ設定」で10GBを2+1+1+6に分割。そのうちの1GBにMac OS 8.5をインストールし、必要な初期設定ファイルやデータ類も移してから、作業にとりかかりました。ちなみに、なぜこんなパーテーションの切り方をするのかというと、iMacのRev.AからRev.Dまでは、「システムをインストールする領域は合計8GBまでにしなければならない」という仕様=『8GB問題』を持っているためです。

iMacのばらし方については、サーチエンジンで検索してみるといろいろなサイトで経験者が写真つきで解説してくれていて困りませんが、とはいっても、ばらしている途中で参照したくなっても後の祭りなので最初にちゃんと頭に入れておかなければなりません。不安があればプリントアウトしておくべきところでしょう。何はともあれ、居間のソファーの上にiMacをひっくりかえし、腹を見せてあられもない姿のiMacとドライバー片手に格闘すること30分、魚屋さんになった気分で汗をかきながら、ついにハードディスクを見ることができる状態になりました。

ハードディスクはCD-ROMドライブの下に収められていますが、ここまでくるとだいたい勘でどこをはずせばよいのかわかってきます。で、苦もなくCD-ROMドライブを抜き取ってハードディスクを露出させました。ハードディスクはネジ止めすらされておらず、簡単にはずすことができます。内蔵されていたのはSeagate製Medalist4321で「中国制」(製の略字か?)と書いてありました。

あとはハードディスクを入れ替えて逆の手順で組み立てるだけなのですが、これがけっこう体力を使いました。バキッ!という音に動揺したり、仕上がり間際になってネジが2本余っているのに慌てたりしながら、なんとか組み上がったのは作業開始後2時間がたった頃。早速書斎の机の上に戻して立ち上げると、あらかじめ入れてあったMac OS 8.5が起動してくれました。そのまま、もう一つの1GBの領域にMac OS 9.1を、2GBの領域にMac OS Xをインストールして作業は完了。Mac OS Xで立ち上げてももちろん問題なくハードディスクが認識されました。新しいハードディスクは流体軸受で非常に静粛、よい仕事となって満足の汗をぬぐいました。

ただ、ここで汗をかきかき力仕事(?)を続けたのがよくなかったらしく、翌日にはすっかり風邪がぶり返して午前中会社を休むことになってしまいました。大反省です。