美夜

2002/11/30

日本に生まれてよかったと思う瞬間。それは、紅葉に彩られた寺院の境内を歩くとき、渋い味わいの酒器で日本酒をいただくとき、そして、さらさらと長い黒髪のチャーミングな女性に出会えたとき。

11月29日、たまった仕事は土日にすることにして(←いつものパターン)、18時からバンドの練習を「Kraft」で2時間。最後にE弦が切れるくらい力のこもった演奏でいい汗をかいて(体育会系?)、楽器を職場にデポしてから下北沢へ向かいました。

この夜は、バー「Revolver」で「Beauty’s Night」と題したDJイベントがあり、ここにリンク仲間のfruuppさんことKyonさん(またはKyonさんことfruuppさん)も参加することになっています。先日の「21st Century Schizoid Band」のライブの際に遠くからfruuppさんの後ろ姿だけお見掛けしたことがありますが、ちゃんとお会いするのは初めて。あらかじめ聞いていたところでは、そんなに混むことはないのでゆっくりおいで下さいとのことだったのですが、慎ましい店構えの前を何度か行ったり来たりした末にドアを明けた「Revolver」の中はほぼ満員で、それでも辛うじて空いていたカウンター席につくことができて一安心。カウンターの中、一番入口に近いところにDJブースがあって、かっこいい女性DJがJ-POPを次々にかけているところで、店内の熱気に多少気おされながらしばらく飲んでいるところへ、後ろから声を掛けてくれたのが、fruuppさんでした。

fruuppさんの出番は持ち時間30分でプログレですが、それではへたすると2曲しかかけられないんじゃないか?と心配していたのは杞憂で、Qango版の「Hoedown」でプログレコーナーであることを宣言してから、あとはあまり濃くない、しかし微妙に「なるほどそうくるか〜」的な選曲で30分。その後、隣に座ってくれたfruuppさんとおしゃべりしたり、近くのお客(ジェネシスのファンクラブ会長・T中氏と自己紹介いただきました)と70年代プログレ談義で熱く盛り上がり、いつの間にか始まったfruuppさんの2回目は『The Nightwatch』のタイトル曲から。ここからのコーナーでは、彼女がはまっているというZombies系の曲を聴けたのが収穫でした。60年代ブリティッシュ・サイケデリック、と言っていいのかな?改めてちゃんと聴いてみよう。

夜も更けてお客がずいぶん少なくなったのをいいことにfruuppさん(と私)の趣味全開でかけまくっていましたが、2時近くになって店員さんの(そろそろ終わってほしい……)という気配に、最後はMike Oldfieldの『Tubular Bells』をもってきたのが巧妙な作戦です。なにしろ1曲終わるのに20分ほどもかかるのですから。