塾長の備忘録

塾長の備忘録

私=juqchoの日常の雑感を不定期に綴る、個人的な備忘録。

下積

2006/01/24

以前書店で見掛けて面白そうだと思っていた『SEのフシギな生態』。いつの間にか文庫本になっていたので買ってみました。

「失敗談から学ぶ成功のための30ヶ条」という副題から知れるように、要求定義・設計・製造・試験・納品の各フェーズ及びプロジェクト管理、転職という章に分けて、元SEの筆者が経験したさまざまな悲劇を(しかしユーモラスに)紹介しつつ、そこから教訓を導き出そうとするもので、

面白うて やがてかなしき SEかな

と一句ひねりたくなるような一冊でした。ただし、こちらの感慨には二つの意味が含まれていて、一つはSEのつらい立場に純粋に同情するもの、もう一つはかつて発注側であった経験を振り返って「うーん、あのときは開発会社にずいぶん無茶言ったものだな」と反省させられるもの。そういう意味では、この本は受託側よりも発注側に必読と思える本でした。

さて、そんなこんなで今日は私が属している研究会二つのうち情報セキュリティ監査系の研究会の本年初会合の後、虎ノ門の焼き鳥屋で新年会。

研究会の本番の方でも、研究対象業種を検討するディスカッションの中で「あの業種なら、こういうプロセスの中でこれこれの個人情報を抱えているから」みたいな話がポンポン飛び交っていて、(我が社のようなネットワーク屋ではない)システム監査コンサルタントたちの持つ業務プロセスそのものに対する知識の広さと深さに正直舌を巻いていたのですが、飲み会の場でアルコールが回るとともに出てきた話は、今はいずれもひとかどのコンサルタントである彼 / 彼女らが、若かりし頃には個別クライアントの業務プロセスにどっぷりのシステム開発の一担当者として、上記の本に描かれているような泥臭い苦労をいかに数多く重ねてきていたかということ。たとえば3カ月かけて作り上げたソースコードをぶっ飛ばしてしまい3日徹夜で復元した話とか、納品した船舶運行管理システムでなぜか船が陸上に表示されていてクライアントに平謝りした話とか、もう次々に出てくる失敗談を聞かされると、何事にも下積みというのは大事なのだなと再認識させられました。