特集

2007/02/20

今、書店に置かれている雑誌「pen」(No.193)の特集記事「ロックのデザイン」が、大変面白い。

ロックアルバムのジャケットをデザインする7人のクリエイターをとりあげて、それぞれのインタビューとアートワーク解説を冒頭に置き、ジャケットの時代性を解説し、ライブ写真やファッションにも目配りした上で、各界の50人のフェイバリット・ジャケットを紹介するという内容。力のこもった好企画で、ロックファンならずとも音楽好きなら必読です。DJの皆さんには、第二特集「アナログ・プレーヤーで聴く」もツボかも。

ちなみに自分にとってのフェイバリット・ジャケットを考えてみましたが、これが1枚だけ挙げるとなるとなかなか困難です。ショッキングという意味では、The Clashの『London Calling』のベースをステージに叩き付ける写真なんてあまりにもかっこいいですが、あいにくと自分はパンクが嫌い。Roger Deanの一連の作品ではYesの『Relayer』が地味ながらいいと思うし、ヒプノシスならPink Floydの『Wish You Were Here』でしょうか。しかし、LP時代のジャケットの紙の手触りまで含めて考えると、King Crimsonの『Starless and Bible Black』が一番になるかもしれません。シンプルな表面、呪文のような裏面、そして何よりジャケット見開き内側に広がる万華鏡のような世界は他の追随を許さない美しさだと思います。