案内

昨年末から今年の正月にかけてのミャンマー旅行の際にガイドしてもらったマーマーさんが、10月末から1カ月の観光滞日。マーマーさんとゆかりのある日本人が順繰りにアテンドすることになっていて、私の当番は11月13日から15日までの3日間です。12日の夜に上野でマーマーさんと久しぶりの対面を果たし、その日は浅草のホテルに泊まってもらって、明けた13日から東京都内 / 近郊訪問です。

2010/11/13

午前10時にホテルに迎えに行って、まずは歩いてすぐの浅草寺へ。

この辺りは、隙あらばスカイツリーが顔を覗かせています。仲見世は相変わらずの賑わいで、予想通り外国人比率高し。

仲見世を抜けると、そこは浅草寺だった……。この後境内に入り、お賽銭をあげて御神籤を引いたら2人とも「凶」。なんでや!その後、浅草寺の中をひとしきり歩いてから、人力車にも乗ってみました。

30分6千円のところをサービス価格で5千円。ちょっと値が張りますが、俥夫のお兄さんのトークが楽しく、満足度高し。その後、昼食をとってから今度は都営浅草線から京成線に乗り継いで、柴又に向かいました。

柴又と言えばこの方、フーテンの寅さん。ここは門前の賑わいが楽しいところ。草団子と、なぜか鰻屋が目立っていました。

ご存知柴又帝釈天。題経寺というのが正しい名前だということを、初めて知りました。仏像への水かけは、ミャンマーでもポピュラーな風習です。

境内では、七五三の盛装をした子供たちが境内に目立っていました。また、折よく猿回しも披露されていましたが、これまた気っ風のいいお姉さんの口上が最高です。

さて、この日の観光は手短かにこれくらいで終えて、マーマーさんは千葉県に住む同郷の留学生の家へ。明日は、鎌倉へ向かいます。

2010/11/14

この日、当初の私のプランではミシュランお墨付きの高尾山に行くつもりだったのですが、マーマーさんの鎌倉大仏を見たいという希望で、江ノ島〜鎌倉周遊としました。なぜ鎌倉大仏なのか?それは、バゴーの町には日本人が寄進した鎌倉仏の像があって、そのためにミャンマー人にとっては奈良東大寺の大仏よりも鎌倉の大仏の方が有名だからです。なんだかなあ。

新宿で待ち合わせて、小田急線で片瀬江ノ島へ。駅から徒歩わずかで江ノ島に渡ることができます。今日の天気はあいにくの高曇り。そのためミャンマー人にはかなり肌寒く感じるようです。

こちらは、ユニークな姿の江ノ島住民の皆さん。

なんだか竜宮城を思わせる辺津宮の構え。弁財天=乙姫?そして茅の輪くぐり。ここでも、七五三姿の子供たちをたくさん見掛けました。

弁天堂。中には源頼朝が文覚に命じて奥州藤原秀衡調伏を祈願させたという八臂弁財天と、なぜかヌード姿の妙音弁財天が祀られていました。どちらも鎌倉時代の像だそうですが、後者は彩色し直したばかりなのか、えらく新しいものに見えました。

中津宮。参道手前の石灯籠に「中村屋」という文字が見えたので「?」と思ったのですが、ここは歌舞伎に関係があるらしく、江戸時代に中村座と市村座が石燈籠を寄進しているそうです。

奥津宮。ここまでの間にたくさんの猫を見掛けましたが、まったく人を恐れる様子がありません。もともと捨て猫が繁殖したものを、地域猫=観光資源として上手に管理するようになったそうです。そして地上が猫なら、空はトビ。江ノ島丼(親子丼の鶏肉がサザエに化けたもの)をいただいている間にも、テラスの下の海岸では、釣り客から魚をせしめようと旋回を続けるトビたちの姿が絶えませんでした。

帰りはこの船で、約7分間の海上の旅。江ノ島には子供の頃に来たことがあるような気がしますが、記憶は全く残っていませんでした。今回ひとわたり歩いてみて、意外に広く、また面白い場所であることを発見。江ノ島侮りがたしです。

江ノ電で長谷へ移動しようとしましたが、このときAPEC(アジア太平洋経済協力)の会合に参加するために来日していた米国のオバマ大統領が、少年期に訪れたことがあるという鎌倉大仏を再訪問していたために、45分ほどもここで足止めをくらってしまいました。結局15時までは大仏には近づけないというお触れが出ていたので、まずは長谷寺へ。長谷駅からここまでの短い距離の間にも大勢の警備の警官を見ましたが、胸には「京都府警察」と書かれていました。全国から応援を集めているということなのでしょうね。

紅葉はこんな感じ。今月末にはいい感じになるかもしれません。堂宇は、右が阿弥陀堂、左が観音堂。ここの十一面観音は、本当に見応えがあります(写真で紹介できないのが残念!)。像高9mあまりの木彫仏(縁起によれば8世紀のもの)が金色に輝く姿は何度見上げても、自然に手を合わせ救済を求める心持ちになってきます。マーマーさんも、この観音様の御姿には心を打たれた様子でした。

地蔵尊に花を供えるマーマーさん。敬虔な仏教徒ですから。もちろん水掛地蔵も見逃しません。

そして本日のクライマックス、高徳院の大仏。境内は案の定、外国人ばかり。ここでもお賽銭を欠かさないマーマーさん。あっ、そこのカップル!そんなところを通るんじゃない!

胎内拝観の行列も外国人だらけ。中に入ったからといって何があるわけでもないんですが……まあ、拝観料が20円だから文句は言えません。ともあれ、念願の鎌倉大仏を拝んで、ミニチュアの大仏まで購入してご満悦のマーマーさん。しかし!私としては同じ大仏を拝むなら断固として奈良東大寺の大仏を推薦します。幸い、マーマーさんは火曜日から奈良に移ります。「必ず東大寺へ行くように」と念を押しつつ、鎌倉を離れました。

2010/11/15

私の案内担当の最終日。午後1時に新宿でマーマーさんと待ち合わせ、大荷物をPASMO対応のコインロッカーに預けてから、まずは高田馬場へ。

これはマーマーさんの希望だったのですが、高田馬場はなぜかミャンマー人が大勢働いているのだそうです。確かに「ミャンマー料理」「高田馬場」で検索してみると、「日本ミャンマー・カルチャーセンター(JMCC)」というのが高田馬場にあることがわかりますし、ミャンマー料理店もいくつもある様子。ただ、この日はJMCCはお休みの日で、転進した「ミンガラバー」というミャンマー料理店も開いていませんでした。これではしゃあないなあ、というわけで観光名所・東京タワーへ転進しました。

昨年の8月以来の東京タワー。さすがに今日は、階段では登りません。しかし、平日だから空いているはずと思いきや、大展望台(150m)から特別展望台(250m)へのエレベーターは順番待ちの状態です。

左はお約束のアングル。それでも、けっこう怖いものがあります。右もなんだか怖い写真ですが、蝋人形館ではありません。特別展望台へのエレベーターの中です。

ああ、怖かった……。

北西の方角の彼方に、この東京タワーの高さを抜かして威張っている東京スカイツリーの姿。

これもお約束の蝋人形館。コストパフォーマンス的にはアレですが、私は好きです。

Tony Iommi / Keith Emerson

トニーやキースも健在。変な組み合わせだなと思ったのですが、実は彼らはこういう形で共演(1990年)していました。

見れば他にも見知った顔ばかり。Alexなんて、まだ膨張する前だし。

V : Ian Gillan / Bruce Dickinson / Paul Rodgers / Bryan Adams
G : Ritchie Blackmore / David Gilmour / Tony Iommi / Brian May / Alex Lifeson
B : Chris Squire
D : Roger Taylor
K : Keith Emerson / Geoffrey Downes

閑話休題。

 Robert Fripp / Ian Anderson

ボブやイアンも変わらぬ姿を見せてくれました。

 Ikue Sakakibara / Yoshiko Miyazaki

もちろん彼女たちのバストも健在です。

新宿に移動し、夕食は鳥料理屋さん。食事に関しては何かと保守的なマーマーさんも、おいしそうに平らげていました。ちなみに、ミャンマー人は牛肉は食べないんだそうです。ヒンズー教徒ではないのに何故?牛はお米を作る仲間だからだそうです。

最後に、東京都庁へ向かいました。ここの展望台は22時まで開いています。もう少し暗い方が窓からの眺めも良くなるんですが、治安・風紀の維持にはこれくらいが限界なんでしょうね。

ここからは南東の方角にライトアップされた東京タワーが見えました。ビルの谷間に埋もれるようになってしまって肩身が狭そうですが、いつまでもがんばっていてほしいものです。以上で私のアテンドはおしまい。この日の夜行バスで、マーマーさんは奈良の受け入れ先へと向かいました。マーマーさん、東京旅行お疲れさまでした。またいつの日か、ヤンゴンで会いましょう!