塾長の備忘録

塾長の備忘録

私=juqchoの日常の雑感を不定期に綴る、個人的な備忘録。

選択

2009/08/08

金曜日から土曜日にかけて某所へ縦走に行く予定にしていたのですが、仕事の都合で金曜日出社せざるを得ず、泣く泣く山行はお預け。まぁ、金曜日の夜は不安定な気候だったので結果オーライですが、それにしても土曜日にちょっとは身体を動かしておきたいところです。そこで思い出したのが、東京タワーで夏休み期間中に限り大展望台への「昇り階段」が開放されているというニュースです。

実はこの日の夕方には押上在住のハルク氏宅でのゴーヤパーティーにもお誘いいただいていて、押上といえば新東京タワー=東京スカイツリーの建設地なので、いわば新旧東京タワーのどちらをとるかという究極の選択を自分で勝手に設定してひとりで悩んだのですが(←アホ)、ここは飲み会よりも身体を動かす方をとることにして、先日の映画試写会の御礼を兼ねて(?)ラン友マドカに声を掛けました。

東京タワーに登るのなんて、何年ぶりかわからないくらいですが、着いてみるとまさに夏休み期間中ということもあって家族連れでかなり賑わっています。しかし、係のお兄さんに教わってフットタウンの屋上まで階段を上がり、そこで大展望台までのチケットを買って階段入口に進むと、そちらで待っているお姉さんは実に手持ち無沙汰そうにしています。階段を登って展望台まで上がろうなどと考える酔狂な客は、そう多くはない模様。

いよいよ階段登りの始まりですが、段差は比較的歩きやすい間隔で設定されており、景色がどんどん変わっていくこともあって、意外に楽しく登れます。そして、ポイントごとにノッポンブラザーズが茶々を入れてくれるので、飽きることがありません。

遂に階段を昇りきったところで、係のお姉さんから「昇り階段認定証」という、日本語的にちょっとヘンな名前の認定証をいただきました。この認定証によれば、大展望台の高さは150m、階段は600段。そう聞かされてもピンときませんが、懸垂下降4ピッチ分と考えれば、そこそこの高さであることがわかります。

ここまでくればどうせついでと、東京タワーを遊び尽くすことにしました。まずは、大展望台の中にある毎日新聞のマシンで、自分が生まれた日の新聞の一面とテレビ面をプリントアウト(各400円)。当時(1959年)は東西冷戦の最中で、最初の記事に出てくる政治家は、ドゴール、フルシチョフ、アイゼンハワー。時代ですなあ。一方テレビ面を見ると、最初何か違和感があって「?」という感じだったのですが、しばらく眺めているうちにその原因にハタと気付きました。この面、上半分を占めているのはラジオの番組表の方で、テレビはその下1/4に申し訳程度に記載されており、一番下の1/4は広告です。つまりラジオの方がテレビを圧倒して幅をきかせているというわけ。肩身の狭そうなテレビの番組表を見れば、放送開始は7時で終了はおおむね23時。NHKの19時15分に有名な「バス通り裏」があり、また嵐寛寿郎の「鞍馬天狗」がフジテレビで20時からというのが目をひきますが、どうやら日中は放送がされていない時間帯がある様子です。これも時代ですね。

ついでエレベーターで地上250mの特別展望台へ行ってみました。確かにこれは高い!東京湾が一望できる上に、遠くには横浜ランドマークタワーらしきものが光っているのが見えました。 地上250mからの展望を満喫してから、大展望台へ戻って、東京タワーどら焼きを食しつつ、ジンジャーエールで喉を潤しました。

今度はフットタウンに下って3階の蝋人形館へ。ここでは俳優やら政治家やら科学者やらが、ある者はぞろぞろと並んで、ある者は個室を与えられて、それぞれつまらなそうに客を待っていました。終わりの方にある「最後の晩餐」はそれなりに立派でしたが、ま、こんなものかな、と思いながら最後のコーナーに差し掛かったところでびっくり仰天。誰のどういう趣味なのかわかりませんが、ロックミュージシャンの蝋人形が何体か置かれていて、その蝋人形自体もさることながら、ミュージシャンにまつわるポスターやらレコードやらが見事にコレクションされており、そちらの方が見応えがあったりします。もちろん、Robert Frippの蝋人形はちゃんと椅子に腰掛けて黒のLesPaulを弾いていますし、Ian Andersonもフラミンゴのように片足を上げてフルートを吹いているなど、ファンの気質をくすぐるしっかりした考証がされていることにいたく感心したのですが、中でも驚いたのはKeith Emersonで、彼が弾いているのはどうやら本物のCS-80とMinimoog。Keithが実際に使用したのはCS-80ではなくGX-1なので考証ミスではあります(といっても、ここにあの巨大なGX-1を持ち込むことはさすがにムリだったでしょう)が、まさかここでこの銘機にお目にかかれるとは。かなうことなら、実際に自分の手で音を出して、U.K.の「Alaska」を弾いてみたいものです。

さらに蝋人形館としてのアイデンティティを揺るがすようなディスプレイがされていたのは出口近くのショーケースで、ここにはおよそコンセプト不明のさまざまな品物が所狭しと並べられていて、ある意味壮観です。

最後は、渋谷に戻ってアイリッシュ・パブで軽く打上げ。下の写真のギネスの横にあるのは、東京タワーウォーター(1本300円)です。

東京タワー侮りがたし、これほど楽しめるとは予想外でした。