停電

2011/03/17

電力不足の中で、徐々に計画停電の規模が大きくなってきました。東京はもともと地震の多い土地ですが、こういう風に生活実感として後遺症が残った例は、記憶にありません。そうした中、私の周囲でも悲喜こもごもが。

まずは、おなじみY女史(練馬区在住)。地震の後、しばらくの間は渋谷にある職場まで自転車通勤していたそうですが、今日は意を決して西武線に乗ったのだとか。

今朝は今週初めて西武線に乗れました。みんなどうやってZIPも真っ青の高圧縮を耐えているのでしょうか?私は筋肉が無ければ肋骨にヒビくらい入ったはずです。鍛え方の足りない手首は危うくマントル返しの出来ない体になるところでした(涙)

……手首以外は鋼鉄のような筋肉で守られていると言うことですね。 次に、この日が誕生日の旧友ヨシコさん(世田谷区在住)。この人は少し前に膝を傷めてしまい、松葉杖持参でタクシーで都心まで通っていました。

帰りは電車デビューと思っていたら、大停電予測が出て、職員にすぐ帰れ、電車乗ってて止まったらどうする、といわれてまたタクシー。夜は停電予定。何てお誕生日↓

しかし、東京電力のホームページからリンクされている計画停電マップを見ると、世田谷区は計画停電の対象からはずれています。グループ分けが最初の発表から変わっていますね。

そのことを指摘すると、

あはははは。きっと私の誕生日だから外したんだわ。プレゼントね。

……恐れ入りました。 ちなみに私が勤めている会社は、夕方の電力消費が大きくなる時間帯を避けるために昨日から勤務時間を1時間繰り上げており、8時始業の16時半終業です。それでも管理職は終業時刻なんて関係ないわいと思っていたら、この日は大停電が予想されるために16時半になったら全社員ただちに帰宅せよという通達が流れてオフィスを追い出されました。こんな時刻に家に帰ってもなあ、というわけで職場近くの冷え冷えとしたファミレス(暖房抑制中)に入り、コーヒーを飲みながら『新潮』掲載の野田秀樹戯曲「南へ」を一気に読了。さて帰るかというところでTwitterをチェックすると、「登處 八丁堀」のアカウントの寂しげなツイートが。

@irifune168 閑古鳥鳴いてます。

……来週前半には行きますよ!

なお、Twitterと言えば、あの(おカタいと思われている)NHKがこんなユルいツイートでいいのか?と話題になり、固定ファンも多いNHK広報局(@NHK_PR)は、私もその独特のテイストが大好きなのですが、震災を期にフォローし始めたためにそうした経緯を知らない一部のフォロワーから「不謹慎だ!」「国営放送のくせに!」などと批判されている模様。しかし、このアカウントは地震が起きた直後、個人がNHKの放送をUstreamで流し始めたのを独断でTwitter上に紹介し、いいのか?と問うフォロワーに対して「後で責任はとります」と言い切った実は筋金入り。もちろん、NHKはちゃんと真面目(?)な報道用のアカウントをジャンル別に持っていて、NHK広報局も地震直後は報道系に傾斜していたのを徐々に元の雰囲気に戻しているだけです。そして、このアカウントのプロフィールには、次のように記されています。

このたびの大きな震災では、皆さん長い緊張状態が続いているようで、さまざまなところに、イライラと批判と強い口調の言葉が流れています。だからこそ、このアカウントでは出来るだけ日常的なユルいツイートを心掛けております。ご批判もあるとは思いますが、ご理解ください。PRはパブリック・リレーションズの略、アイコンはおやつの時間です。

……立派な見識です。この路線でこれからもお願いします。

この記事を書いている間にも二度ほど余震を感じましたし、これからもさまざまなことが、ここ東京でもあるでしょう。それでも季節は着実に春に向かっているのだし、被災地の方々の暮らし向きもきっとよい方向へ転じてゆくのだと信じたいと思います。

こちらは芽吹き始めている道玄坂の桜です。開花まで、あとわずかです。