㐂道

2021/12/24

クリスマスイブ(しかも金曜日!)は、一人で近所の蕎麦屋さんへ。といっても別に世を拗ねているわけではありません。そもそもクリスマスを祝う習慣はありませんし。

実は、自宅から徒歩1分のこの蕎麦屋さん「㐂道庵」が明日25日をもって閉店ということで、お別れに来たのでした。最終日の明日は混み合うだろうという読みから1日早いこの日に訪問したのですが、それでも普段なら空いているはずの夕方早い時刻に既に満席になろうとしている状況です。やはり皆、考えることは同じということのようです。

この地に住むようになって既に四半世紀がたっていますが、こちらのお店はその最初からここにあって、折々に季節の味を提供してくれていました。基本的に一人での飲酒の習慣がない私も、ここでは時たま日本酒に手を出すことも。

そして鶏大根そばは寒い季節の「㐂道庵」のキラーコンテンツ。表の立て看板のメニューにこれが載ると、もうすぐ冬だなぁと思ったものです。

昨年から今年にかけてCOVID-19の影響で人流が止まってしまっていた時期を除けばお店はいつも活況で、昼食どきには行列ができるくらい繁盛していましたから、閉店の理由は経済的な問題ではないだろうと推測していますが、いずれにしても長年親しんできた店がなくなるというのは切ないものです。それでも最後の鶏大根そばをいただいて、お店を切り盛りするきっぷのいい姐さんに最後の挨拶をして、先方からも「長らくありがとうございました」と応えてもらって、熱燗と蕎麦のおかげだけではない温かさを身の内に感じながら「㐂道庵」を後にしたのでした。