真超

2022/07/09

ついに『シン・ウルトラマン』を観てしまいました。

事前に見聞きしていた評価は賛否両論だったので多少身構えていた部分がありましたが、観終わってみればなかなかの良作。メフィラスの「郷に入っては郷に従う、私の好きな言葉です」「割り勘でいいか?ウルトラマン」には笑いましたが、ラスト近くでウルトラマンが抵抗虚しく異次元に吸い込まれる場面は純粋に泣かせます。まぁ最後は一応ハッピーエンドで終わるのですが。

オリジナルの『ウルトラマン』を知らないと楽しめないかと言えばそんなことはなくて、確かにメフィラスパートでの長澤まさみの巨大化とか地球を売り渡す契約とかはオリジナルのエピソードを知っていれば合点が行くのですが、仮にオリジナルを見たことがなくても楽しめるだけの説明は話中でなされています。

また、ゼットンパートでの人類抹殺処分は手塚治虫の『W3』を、大気圏外から墜落する主人公の姿は石森章太郎の『009』を、異次元に吸い込まれて再生されないというプロットは光瀬龍の『百億の昼と千億の夜』をそれぞれ連想させ、監督が樋口真嗣なのでここは平成ガメラシリーズのあの場面に似ているというところもあったりして、多様な楽しみ方ができる映画でした。

ところで、7月9日というのは私が初めてウルトラマンをこの目で見た日です。どういうことかというと、オリジナル第1話のTV放映は1966年7月17日だったのですが、実は同年7月9日に杉並公会堂で番組PRイベントが開催され、翌10日に録画中継として放映されたのがウルトラマンの全国への初お目見えで、私は母に連れられてこの杉並公会堂でのイベントの客席にいたというわけ。記憶を辿ればこのイベントは2部構成で、最初に舞台上で寸劇形式でウルトラマンが登場し怪獣や悪いやつらをやっつけて宙に消え、後半では映画形式で第1話を視聴するというものだったはず。第1部で階段を降りてきたウルトラマンがずっこけそうになったことも鮮明に覚えています。

今から56年も前の話です。