検証
2008/09/06
今日は、上野の東京藝術大学大学美術館へ「狩野芳崖 悲母観音への軌跡」を見に行きました。
ちょうど「藝祭2008」(9月5-7日)のまっただ中で、キャンパスは学園祭特有の賑やかさ。30年前、大学に入りたての年に経験した「駒場祭」を思い出して、なんだか懐かしく思いました。今も昔も、学園祭っていうのはほとんど同じ雰囲気だな。
美術館の入口には巨大な天狗のオブジェがあって「さすが藝大!」と思わされましたが、かたや適当に打楽器を叩きながら踊っている集団もいたりして、このへんはフツーといえばフツー。下のようなレトロな「間違い探し」もありましたが、わかるでしょうか?……といっても、この写真の小ささでは無理かな。
肝心の「狩野芳崖」は、素晴らしいものでした。「悲母観音」も期待通りでしたが、それ以上に「暁霧山水」の大胆で芯の通った構図と思い切った省略、上品で美しいグラデーションにはノックアウトされ、「うーん、これはいい」と声に出しながら立ち尽くしてしまいました。
十分に満足して美術館を出ると、久しぶりに上野駅近くのサウナであかすり。このサウナには四半期に一度くらいのペースで来ているのですが、夏山シーズンはだいたい常時腕や臑に傷を負っているのでなかなかあかすりができません。それでもようやく8月の北岳での傷が癒えたところなので、来週末の山でまた傷つく前に、とピンポイントのタイミングで身体をくまなくごしごしこすってもらってさっぱり。これで安心して、岩と格闘できるというものです。
渋谷に戻ったところで、先日「福ちゃん」が閉まっていたのを思い出し、偵察をすることにしました。
おや、ちゃんとやっているではないですか。だがまてよ、福ちゃんを騙る偽者かも。ここはさらに深く検証しておかねば。アルパインクライマーは、何事にも慎重なのです。
店内、異常なし。カウンターの向こうのおばさん2人も見慣れた顔。生ビールをぐいっとやってサウナで失った水分を補給した後、トロカツオの刺身、穴子の天ぷら、アスパラガスと冷酒をいただきました。家でも外でも1人ではお酒はまず飲まない自分ですが、ここだけは別。1時間足らずですっかり満ち足りた気分となり、外で列を作って待っているお客のためにカウンターを空けることにして「福ちゃん」を後にしました。