大名

2018/05/30

先日の「一由」訪問で和の食を満喫した私。しかし、この季節の「一由」の楽しみである大名筍が、そのときは入荷していませんでした。今年は不作らしくなかなか入ってこない、入荷時期の目処がついたら連絡しますと言われて、そのときはすごすごと引き下がったのですが、ありがたいことに5月21日に初荷が入荷したとの連絡をいただきました。そこで再び新橋へ。

先付けにキンカンのような甘酸っぱさのほおずきが乗っているのが、夏近しを思わせます。お酒は、まずビールで喉を湿らせた後、岐阜各務原のお酒「百十郎 純米吟醸 Limited Creamy」をいただきました。

しかし、いずれもおいしくいただきつつ、目はチラチラと厨房の奥の大きなオーブンの方に泳いでしまいます。

お待ちかね、大名筍の登場。ほくほくと熱く、筍とは思えない柔らかさと甘みが絶品です。今年は本当に手に入りにくく、おかみさんは産地である鹿児島県三島村の村役場に「一体どうなっているのか!」と電話をかけて出荷を促した、と笑っていました。これを見て我々の隣に座っていたお客さんが「おいしそうだ。こちらもほしい……」と羨ましげな目を向けてきたのですが、おかみさんはすまなさそうに「予約のお客さんだけなんですよ」。今年はどうやらあと1回入ってきたらおしまいになってしまうようです。貴重なものをいただきました。

そして好物の粟麩田楽と共にいただいたのがこれまた季節を強く感じさせる蓴菜で、乗っているのは茗荷と長芋。このようにバラエティ豊かな季節の味を満喫できるのも、日本ならではのことです。ごちそうさまでした。