天川
2015/05/14
久しぶりの東欧料理店シリーズ……のつもりでしたが、ルーマニア、ハンガリー、チェコときてネタがなくなり、今回は王道のロシア料理にしようと新宿東口の「スンガリー」をセレクトしました。
うかうかしていると通り過ぎてしまいそうな目立たない(?)入口から狭い階段を地下に下ると、調度品なども異国情緒が漂う薄暗い店内はこじんまりしていて、満員の盛況でした。
初めての店なのでスンガリー初めての方におすすめ
という「黒海の月夜コース」を選択しました。アミューズに続いて出てきたのは、マリノーブナヤ・ケタ (ロシア式フレッシュサーモンマリネのブリヌイクレープ包み)。
グリヴィー・ヴ・スミターニェ (マッシュルームのつぼ焼きクリーム煮)とボルシチ(赤かぶと肉野菜の旨みたっぷりスープ)。定番ですが、老舗らしい上品な味でした。
ワインは南ロシア、グルジアなどの白ワインをいただきましたが、それぞれに個性が楽しめました。グルジアを含む黒海・コーカサス地方は、一度足を運んでみたい土地の一つです。他にピロシキもあったのですが、食べるのに夢中で写真を撮り忘れました。
メインディッシュは三種から選べ、私がセレクトしたのはシャシリーク(香味野菜とハーブでマリネした仔羊肉の強火串焼き)、相方はゴルブッツィ(ウクライナ風ロールキャベツの煮込み焼きトマトクリームソース仕立て)。食後のチャイはジャムをグラスの中に入れるのではなく、ジャムをスプーンで舐めながらいただくスタイルです。バラのジャム、ベリーのジャムなどが用意され、甘いものに目がない私はついつい手が伸びてしまいました。
お店の雰囲気も良いし、料理もワインも素晴らしくおいしく、そしてリーズナブルなお値段。1957年開業の「スンガリー」は、現在はこの新宿東口が本店ですが、新宿西口にも店舗があってコースメニューも異なるので、次はそちらにも足を運んでみようと思いました。なお「スンガリー」という店名は、創業者が第二次世界大戦中に住んでいた満州のハルピンに流れている松花江の満州語起源のロシア語名「Сунгари」からとったもので、満州語での意味は「天の川」です。現在の経営主体は法人化されており、その代表はあの加藤登紀子さんなのだそう。